
米軍がイラン南部バンダル・アッバスに向かっていたイラン籍の貨物船を拿捕し、船内に軍事転用可能な物資が積載されていた可能性があるとの見方が出ている。
米軍は19日(現地時間)、イラン国営船社「IRISL」所属の貨物船「トゥスカ号」が回航中、無線による警告に従わなかったため発砲し、拿捕したと明らかにした。
ロイター通信などによると、この貨物船は中国を出港しており、弾道ミサイル関連の物資が積まれていた可能性があるとされる。船舶追跡情報会社ケプラー(Kpler)の船舶自動識別装置(AIS)のデータ分析でも、トゥスカ号は中国南東部・珠海の高欄港を出港し、イランに向かって航行中だったとみられている。
米紙ワシントン・ポストは、高欄港について「固体ロケット燃料の主要原料となる過塩素酸ナトリウムなどの化学物質の積み出し拠点として知られる」と伝えている。

ロイター通信も同日、トゥスカ号について、産業用途に加え軍事転用が可能な物資が積載されていた可能性が高いと伝え、「同船は過去にも二重用途の物資を運搬したことがある」と報じた。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、トゥスカ号が中国の港湾に頻繁に出入りしていたほか、不正な瀬取りが行われる海域で活動した経歴があると指摘した。「中国は過去にイランの弾道ミサイル開発に必要な化学物質を供給した前例がある」と伝えている。
一部では、当該貨物船に中国から持ち込まれたミサイル関連物資が積載されていた可能性もあるとされており、米軍は現在、船内のコンテナ約5,000個の捜索を進めている。米中央軍は、金属類やパイプ、電子部品などが軍用と産業用の双方に転用可能な代表的物資であり、押収の対象となり得ると説明している。
トランプ氏「中国がイランに武器供与と認識」
2月28日に米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦が始まって以降、中国がイランに武器を供与しているとの疑惑が繰り返し浮上している。
これについて、ドナルド・トランプ米大統領は15日、「中国がイランに武器を提供していると聞いており、習近平国家主席に自制を求めた」と述べ、「習主席は『そうした事実はない』と否定した」と明らかにした。
また、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は11日、政府関係者の話として、「米情報機関がここ数週間、中国がイランに携帯式地対空ミサイル(MANPADS)を提供した可能性があるとの情報を把握した」と報じている。

携帯式地対空ミサイル(MANPADS)は、兵士が携帯し、低空を飛行する航空機の撃墜に用いられる兵器だ。中国製の新型MANPADSは、熱追尾に加え、戦闘機が回避のために放出するおとり弾「フレア」を識別する能力にも優れるとされ、脅威性が高いとみられている。
今月3日には、イランのザグロス山脈付近で米軍の「F-15E」戦闘機が撃墜される事案があり、携帯式地対空ミサイルによるものとみられている。当時、イラン側は「新型の防空システムを使用した」と説明したが、具体的な兵器の種類は明らかにしていない。また、米CNNも情報当局者の話として、「中国が第三国を経由してイランにこのミサイルを輸送しようとしている兆候がある」と伝えている。
これに対し、中国外務省は関連する疑惑を直ちに否定した。この問題は来月予定されているトランプ大統領と習主席との首脳会談で主要な争点となる可能性がある。トランプ大統領は来月14日から15日にかけて中国を訪問する予定だ。
トランプ氏、イランとの停戦を1日延長
一方、トランプ大統領はイランとの停戦期限を事実上1日延長した。
トランプ大統領は20日、ブルームバーグ通信との電話インタビューで、イランとの2週間の停戦期限について「ワシントン時間で水曜日の夕方」と述べた。

ブルームバーグ通信は、交渉のための時間を確保する狙いから、基準を柔軟に解釈し、事実上停戦期間を1日延長したとの見方を示した。
ただ、トランプ大統領は、新たに示した「米東部時間で22日夕方」の期限までに合意に至らなかった場合、「停戦を延長する可能性は極めて低い」と述べ、「急いで不利な合意を結ぶつもりはない。我々には十分な時間がある」と強調した。また、ホルムズ海峡の封鎖を巡っては、「イランは海峡の開放を強く望んでいるが、合意が成立するまでは開放しない」と述べた。
さらに、合意に至らなかった場合に戦闘が直ちに再開される可能性について問われ、「合意がなければ、その可能性は十分ある」との認識を示した。
















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