アメリカがイランとの停戦を無期限に延長した背景には、イラン内部の分裂と武力使用の負担が同時に作用したと見られる。ただし、これは駆け引きで一歩引いた決定というより、イラン指導部内の権力闘争の行方を見守った後、必要に応じて軍事行動に出ても遅くないという戦略的判断が反映されたものと解釈される。アメリカ国内の否定的な世論も、負担要因として作用したと分析されている。
イラン分裂を注視した「時間稼ぎ」戦略
アメリカとイランの第一次停戦期限が迫る中、ドナルド・トランプ米大統領はこの日、ソーシャルメディアの「トゥルース・ソーシャル」を通じて「イラン政府が予想通り深刻に分裂しており、パキスタンのアシム・ムニール陸軍元帥とシャバズ・シャリフ首相の要請により、交渉団が統一された提案を準備するまで攻撃中断の要請を受けた」と明らかにした。続けて「提案が提出され、議論が終了するまで停戦を延長する」と付け加えた。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、トランプ大統領はこの日ホワイトハウスでスタッフと会議を続け、イランが最終合意を実際に履行できるかどうかについて集中して質問したと報じた。スタッフはイラン政府が単一の権力構造ではなく、強硬派が交渉に反対していると報告した。それに伴い、交渉が成立しても合意履行の可能性に疑問が呈され、アメリカは制裁を維持したままイランの具体的な提案を待つことにした。
強硬派と穏健派の衝突…交渉メッセージの混乱
イラン内部の対立はホルムズ海峡を巡る対応で明確に表れた。17日、アッバス・アラグチ外相が海峡の完全開放を宣言したが、強硬派であるイスラム革命防衛隊は1日でこれを覆し再封鎖に乗り出した。
第二次交渉を巡る立場も食い違った。交渉代表を務めるイラン国会議長のは「脅威の下では交渉はない」と明言したが、海外メディアは匿名のイランの情報筋を引用して交渉準備が進行中であると伝えた。
アメリカのシンクタンク、戦争研究所(ISW)はイスラム革命防衛隊の総司令官であるアフマド・ヴァヒディ氏とガリバフ議長間の対立が激化していると分析した。イギリスのエコノミストは最高指導者に選出されたモジタバ・ハメネイ師が、まだ権力を完全に掌握していないと評価した。このため、交渉に臨んでも内部の分裂により合意形成は容易ではなく、妥結後も合意が揺らぐ可能性が高いとの指摘がある。国際危機グループのアリ・バエズ氏はAP通信に「イランの体制は多数の権力中心が重なり合う構造であり、派閥主義はその本質的な特徴である」と説明した。
戦争負担・世論悪化…拡大戦慎重論
軍事作戦に対する負担も停戦延長の背景に挙げられる。WSJはトランプ大統領がスタッフの前でイラン攻撃再開に対する否定的な世論を警戒する姿を見せたと伝えた。実際にAP通信とシカゴ大学の世論調査センターの調査で、トランプ大統領の支持率は33%で、1か月前より5ポイント低下した。生活物価対応に対する支持率は23%にとどまり、経済問題に対する不満が大きく反映されたことが示された。
このような状況でイランのエネルギー施設を追加で攻撃する場合、戦争が拡大し国際的な原油価格の上昇につながる可能性が高い。WSJは両者間の不信と立場の違いが依然として大きいが、仲介者や交渉関係者は核プログラムなどの重要な争点について、妥協の可能性も議論していると伝えた。ただし、イラン内部の統一された立場が整理されない限り、交渉の進展は限られると見られる。

















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