
米国のドナルド・トランプ大統領が、イラン戦争への対応を批判したドイツのフリードリヒ・メルツ首相を公然と非難した。メルツ首相が米国の対イラン対応について「戦略がない」と指摘すると、トランプ大統領はドイツの経済状況にまで話を広げ、「ドイツが振るわないのも驚くことではない」と応酬した。
28日(現地時間)、米政治専門メディアのポリティコによると、トランプ大統領はこの日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」でメルツ首相を名指しし、「彼はイランが核兵器を保有しても構わないと考えている」と主張した。さらに「彼は自分が何を言っているのか分かっていない」と切り込み、「イランが核兵器を持てば、世界全体が人質に取られる」と書き込んでいる。
トランプ大統領は「私はいま、イランに対して、他国や歴代大統領がずっと前にやるべきだったことを進めている」と強調した。そのうえで、「ドイツが経済面でもそれ以外でもあれほど振るわないのは不思議ではない」と批判を重ねた。
今回の発言は、メルツ首相が前日に米国の対イラン対応を厳しく批判した直後に飛び出したものだ。メルツ首相は「米国はイラン指導部に屈辱を味わわされた」と述べ、「イランは予想よりはるかに手ごわく、米国が交渉で本当に説得力のある戦略を持っていないのは明らかだ」と指摘していた。
イラン戦争を巡っては、米国と欧州の溝が最近さらに深まっている。トランプ大統領は、世界の原油輸送量の約20%が通過するホルムズ海峡が事実上封鎖された後も、欧州の同盟国が米国を積極的に支援しないとして不満を示してきた。これに対し、欧州側は戦争初期から、米国による積極介入の要求に距離を置いている状況だ。
ドイツ国内でも、メルツ首相の公の発言が外交的に適切だったのかを疑問視する声が上がっている。匿名を条件に取材に応じたドイツ当局者はポリティコに対し、トランプ大統領の周辺には外交的な力量や洞察を備えた人物が見当たらず、同氏の「取引の技術」にも限界が見えていると評した。一方で、「だからといって、メルツ首相の発言が賢明だったわけではない」との見方も示した。
この当局者はさらに、「外交には、すべての真実を大声で語らないことも含まれる」と説明した。そして、「時には沈黙にも価値がある」と述べ、公開の場で踏み込みすぎることへの懸念をにじませている。
メルツ首相がトランプ大統領の指導力に疑問を示したのは、今回が初めてではない。ことし2月のミュンヘン安全保障会議でも、「米国を、もはや世界秩序を守る国としてだけ信頼することはできない」と発言し、トランプ大統領のリーダーシップが欧州と米国の間に「深い分裂」を生んでいるとの認識を示していた。ポリティコは、イラン戦争を巡る今回の衝突が、米国と欧州の安全保障認識の差がもはや水面下の摩擦にとどまっていないことを示していると分析している。
















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