
中東戦争の長期化に伴う米国内のガソリン価格の高騰によって、低所得層が最も大きな打撃を受けている。高所得層の消費パターンにはほとんど変化がない一方で、低所得層は運転を控えたり公共交通機関の利用を増やしたりするなど、負担が膨らんでいるとの分析が出ている。
ニューヨーク・タイムズが6日(現地時間)に伝えたところによると、米ニューヨーク連邦準備銀行(NY連銀)は最近の報告書で、中東戦争以降に高騰したガソリン価格の負担が低所得層に集中していると分析したという。
米国とイランの戦争や、ホルムズ海峡が封鎖されるとの懸念が国際的な原油価格を押し上げたことで、米国内のガソリン価格も高騰した。
米ガス販売業者のガスバディ(GasBuddy)によると、米国内のレギュラーガソリンの平均価格は1ガロン4.50ドル(約710円)を超え、2022年7月以降で最も高い水準にまで跳ね上がった。カリフォルニア州では、1ガロンあたりの平均価格が6.10ドル(約963円)を上回り、全米で最も高い水準となっている。
高騰するガソリン価格の影響は、所得水準によって明暗が分かれている。
NY連銀の分析によると、高所得層は3月のガソリン購入の支出を増やしているものの、物価上昇を反映した実際の消費量にはほぼ変動がなかった。一方、低所得層はガソリン購入の支出が増えたにもかかわらず、運転を控えたり、カープール(相乗り)や公共交通機関に切り替えたりして、実際の消費量を減らしていることが分かった。
NY連銀は、こうした二極化の現象を「ガソリンスタンドのK字型のパターン」と名付けた。高所得層が成長を続ける一方で、低所得層が相対的に取り残されるという「K字型経済」の現象が、ガソリンの消費にも表れているという意味だ。
サウスカロライナ州チャールストンで配車サービスのウーバーやリフトの運転手として働くダニエル・ソラスさんは「ここ数週間で、ガソリンの価格が1ガロン2ドル(約316円)台から4ドル(約631円)以上に跳ね上がり、手取り額が大きく減った」と語ったうえで、「1日の収入が100〜160ドル(約1万5,800円〜2万5,200円)程度まで減少した」と話した。
原油価格の高騰は、ガソリンだけでなく、軽油や航空燃料、肥料、プラスチックといった石油に依存する製品の価格も押し上げている。最近では航空券の価格も高騰しているほか、肥料の値上がりや包装・輸送にかかる費用の上昇が転嫁されれば、食品の価格にもさらに上昇圧力がかかる可能性が指摘されている。
エネルギー価格の上昇は、単なる交通費の負担を超え、米国経済全体の物価負担や二極化をいっそう深刻なものにしているとの分析も出ている。
金融大手のネーションワイドは、米国の物価上昇率が今夏に約4.5%まで跳ね上がるとの見方を示した。これは、米連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%の2倍を超える水準だ。
米バンク・オブ・アメリカ(BoA)の研究チームも、4月の高所得層の賃金上昇率が年率で5.6%に達したのに対し、低所得層や中間層は1〜2%にとどまっており、2015年以降で最大の格差になっていると明らかにした。
封鎖が長期化すれば、影響はさらに広がる恐れがある。米ダラスNY連銀は、ホルムズ海峡の封鎖が9月まで続いた場合、国際的な原油価格は1バレル167ドル(約2万6,400円)を超える可能性があるとの見通しを示した。この場合、米国のガソリン価格は1ガロン5ドル(約789円)以上にまで高騰し、景気後退のリスクも高まりかねないとみられている。













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