
イランの原油輸出の重要拠点であるハールグ島西側の海域で、大規模な原油流出が確認された。
ニューヨーク・タイムズは8日(現地時間)、衛星画像分析サービスOrbital EOSを引用し、「前日の衛星画像分析を通じて、ハールグ島で大規模な原油流出を確認した」と報道した。
同紙は、「海洋汚染面積は50平方キロメートル、原油流出量は3000バレル余りと推定される」とし、「流出した原油は現在、サウジアラビア領海方向へ移動している」と伝えた。
イラン外務省は、この報道に関する公式コメントを出していない。現地の国営メディアも、今回の事態については一切報じていない状況だ。
専門家らは、今回の原油流出について、原油タンクやパイプラインが損傷した可能性を指摘している。
これに先立ち、ドナルド・トランプ米大統領は、米国によるホルムズ海峡封鎖が続けば、イランは原油を輸出できなくなり、その結果、国内の原油貯蔵施設が飽和状態となって爆発を引き起こす可能性があると警告していた。

実際、イランのエネルギー分野を分析する独立系データ機関「イラン・オープン・データ」のダルガ・カティノグル氏は、ハールグ島西側に位置する主要海上油田「アブザール油田」と貯蔵施設を結ぶ海底パイプラインが破裂した可能性を指摘した。
カティノグル氏は、「このパイプラインは老朽化が進み、適切な管理も行われていなかったため、ここ数年で複数回の漏出事故を起こしている」とし、「2024年10月にも破裂事故が発生していた」と説明した。
これを受け、一部では、貯蔵施設の飽和による油井や原油生産施設の損傷を防ぐため、イラン当局が意図的に原油を放出した可能性も指摘されている。
国際連合大学の応用工学教授であるニマ・ショクリ氏は、「総合的にみると、海上封鎖によってイランの石油システム全体が危険な状態に陥った可能性が高い」と分析した。
さらに、「油田やパイプラインが詰まれば地下油田そのものが損傷する恐れがあるため、油田の停止は簡単ではない」とし、「油田は自由にオン・オフできる機械ではない」と付け加えた。
また、サウサンプトン大学のエネルギー・環境専門家ケイバン・ホセイニ氏は、「今回の原油流出事故は、制裁や紛争、慢性的な投資不足によって、イランの施設近代化がどれほど困難になっているかを示している」と指摘した。
そのうえで、「対応が遅れれば、管理可能な規模の流出事故であっても、より深刻な地域環境危機へと発展しかねない」と懸念を示した。
米・イラン終戦交渉、依然として膠着状態
米国とイランの終戦交渉は、依然として膠着状態から抜け出せていない。
トランプ大統領は8日、米国側の終戦提案に対するイラン側の回答を近く受け取ることに期待を示したが、現地時間9日午後の時点でも、両国政府はいずれも公式発表を出していない。

トランプ政権は依然として、交渉進展への期待感を「公には」示しているものの、イラン側は公式コメントを控えている。
現時点でのイラン側の公式立場は、米国が提示した案を検討中という段階にとどまっている。一部では、イランが交渉期間を引き延ばし、米国から追加譲歩を引き出そうとしているとの見方も出ている。
これに対し、トランプ大統領は、イランへの軍事攻撃再開の可能性を示唆しながら圧力を強めている。
トランプ大統領は最近、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、「イラン軍艦159隻」という文言とともに、過去の政権時代には海上に存在していたイラン軍艦が、自身の在任期間中には沈没した姿で描かれたAI生成とみられる画像を投稿した。
さらに、イランのドローンが海へ墜落する様子を蝶にたとえた画像も公開し、「ドローンが蝶のように落ちている」とのコメントも掲載した。
















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