「1分おきに連続攻撃」…ナム号を直撃した“謎の飛行体”とは

4日、ホルムズ海峡で爆発と火災が発生した韓国貨物船「HMMナム号」の一次現地調査の結果、正体不明の飛行体による攻撃だったことが確認され、使用された兵器をめぐってさまざまな憶測が広がっている。
韓国外務省は10日、「正体不明の飛行体2機が、約1分間隔でHMMナム号の船尾左舷バラストタンク外板を2回攻撃した」とし、「攻撃による衝撃の後、振動を伴う炎と煙が発生したことが確認された」と明らかにした。
外務省によると、左舷船尾の外板は幅約5m、船体内部は約7mの深さまで損傷しており、船内フレームは内側に曲がっていたとのことだ。機関室火災は1回目の攻撃で発生し、2回目の攻撃後に火災が急速に拡大したと分析されている。
専門家らは、船体損傷の位置や約1分間隔で連続攻撃を受けた点などを総合的に踏まえると、ナム号を攻撃した正体不明の飛行体は、イランの主力自爆ドローン「シャヘド」シリーズである可能性が高いとの見方を示している。
シャヘド136とシャヘド131は、ウクライナ戦争でも多数投入された自爆ドローンで、20〜40kg級の弾頭を搭載できるとされる。搭載する弾頭重量は調整可能であることも知られている。

これについて、 韓国科学技術院(KAIST)国家未来戦略技術政策研究所のチョ・サングン教授は韓国メディアの国民日報に対し、「弾頭重量を調整した中型級の自爆ドローンによる攻撃の可能性が高い」とし、「イランは致命的な被害を与えるレベルの攻撃は避けつつ、警告メッセージは送ることで、相手に即時の軍事対応の口実を与えにくくする、いわゆるグレーゾーン戦術を展開した」と説明した。
自爆ドローンが海面近くを超低空で接近した後、目標を攻撃する手法は、中東だけでなくウクライナ戦争でも頻繁に使用されてきた。ドローン大国として台頭したウクライナは、海面すれすれを飛行する海上ドローンを用いて、ロシア黒海艦隊の軍艦を撃沈したこともある。
このため専門家らは、ナム号も海面近くを低空飛行しながら目標を攻撃する「シャヘド」系列ドローンによる攻撃を受けた可能性が高いとみている。
船体下部への攻撃…ドローンではなくミサイルの可能性も
一方で、ナム号を攻撃した正体不明の飛行体は、短距離小型対艦巡航ミサイルだった可能性も指摘されている。船体上部ではなく、下部付近を精密に攻撃した形跡が確認されているためだ。
一般的に小型対艦ミサイルは、レーダー探知を遅らせるため海面すれすれを低空飛行する。また、複数発を同時に接近させることができる点も、ナム号を攻撃した飛行体が小型対艦巡航ミサイルだった可能性を裏付けている。

ただし、専門家らは、正体不明の飛行体を発射した側が実際に意図した標的攻撃を行ったのか、それとも別の目標に向けて発射された飛行体がナム号に偶然命中して爆発したのかについては、さらなる分析が必要だと強調している。
これについて韓国外務省は、「当時、船舶は海面から約1〜1.5m上部の箇所が損傷していた」とし、「爆発圧力による損傷パターンや半球状の貫通痕などを考慮すると、機雷や魚雷による攻撃の可能性は低いとみられる」と説明した。
また、「正体不明の飛行体はドローンと考えてよいのか」という取材陣の質問に対し、外務省関係者は「正確な発射体に関する情報は追加調査が必要な事項だ」とし、「それがドローンなのかミサイルなのかについても、さらなる調査が必要な状況だ」と述べた。
呼び出されたイラン大使「質問は韓国外務省に」
一方、政府発表後、イランのサイード・クーゼチ駐韓大使は10日、韓国外務省庁舎を訪れた。
クーゼチ大使は、「イランの関与が事実なのか」との取材陣の質問に対し、「今回の事故に関する一般的な議論を行った」としたうえで、「質問があるなら(韓国)外務省にしてほしい」と答えた。

この日、クーゼチ大使は韓国外務省の朴潤柱第1次官と面会し、問題について協議したとされる。
外務省関係者は、「イランは関連当事国にあたるため、調査結果を説明する目的で駐韓イラン大使が外務省庁舎を訪問した」と説明した。
これに先立ち、ナム号の爆発・火災について、米国のドナルド・トランプ大統領は事件当日、「イランによる攻撃だ」と主張していた。一方、駐韓イラン大使館はイランの関与を否定したものの、イラン国営メディアでは、ナム号を攻撃した主体がイランであると報じたことがある。
















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