性犯罪の通報は1日平均107件に上り、有罪判決率は24.4%にとどまる

性犯罪の多発が問題視されているインドで、また幼い子どもが被害に遭う事件が起きた。
インドメディアNDTVによると、先月30日、デリー南西部ジャナクプリ地区の私立幼稚園で、3歳の女児が57歳の職員から性的暴行を受けた。
女児は降園後、母親に痛みを訴え、「地下室に連れて行かれ、被害を受けた」という趣旨の説明をしたとされる。
女児側は事件翌日の1日、警察に被害を届け出た。警察は、児童を性犯罪から保護する法律(POCSO法)違反などの疑いで事件を立件し、女児が指摘した容疑者を逮捕した。
しかし裁判所は、逮捕から1週間もたっていない7日、容疑者の保釈を認めた。
女児の母親は、裁判所の保釈判断を批判している。さらに、警察の捜査が遅れたうえ、事件をもみ消すために家族を脅したと主張した。母親は、調査の過程で警察が女児を数時間にわたり放置したとも訴えている。
これに対し、デリー警察は「容疑者は通報当日に速やかに逮捕し、防犯カメラの映像やその他の証拠も手続きに従って確保した。警察が被害者家族に嫌がらせをしたり脅迫したりしたという報道は、根拠のない虚偽情報だ」と反論した。
警察は、女児への聞き取りは子どもに配慮した環境で行い、事案の性質を考慮して、合法的な調査と相談の目的でのみ呼び出したと説明している。
また、捜査員らは「強力な証拠」を確保しており、裁判所に対して容疑者の保釈に異議を申し立てる方針だとしている。
この事件をめぐり、デリー保健相を務めた庶民党(AAP、アーム・アードミ党)デリー支部長のサウラブ・バードワージ氏は、警察と裁判所を非難した。
バードワージ氏は、事件を隠蔽しようとする動きの背後に「政治的なつながり」があるとも主張している。
同氏は10日の記者会見で、「事件が起きた私立幼稚園は、政界とつながりがあるとされている。デリー教育相は幼稚園の行事に直接出席するほど関係の深さを示していた。それにもかかわらず、今回の事件については沈黙を守っている」と述べ、隠蔽の可能性を指摘した。
インド内務省傘下の国家犯罪記録局(NCRB)が6日に発表した報告書によると、2024年にインド全土で受理された女性への性的暴行の通報は2万9,536件で、1日平均107件だった。性的暴行や集団での性的暴行の後に殺害された女性は274人に上った。
同じ年に登録されたPOCSO法違反事件は6万9,191件で、被害児童は7万132人だった。このうち女児は4万3,675人、男児は892人だった。
被害児童の年齢別では、16〜28歳が2万3,368人で最も多く、12〜16歳が1万6,801人、6〜12歳が3,438人、6歳未満が831人だった。
専門家は、社会的な偏見や家族からの圧力、司法手続きへのアクセスの難しさにより、届け出られていない事件まで考慮すれば、実際の被害規模はさらに大きいとみている。
被害規模と同じく深刻なのは、有罪判決率の低さだ。
NCRBの報告書によると、2024年時点の性的暴行事件の有罪判決率は24.4%にとどまった。証拠不足や裁判所の業務過多、被害者への脅迫など、複数の要因が影響しているとみられる。
特にPOCSO法違反事件のうち、有罪判決が出た事件は2022年時点で全体の約3%に過ぎなかった。
















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