
米国政府は、86年間にわたり運営してきたカナダとの常設合同防衛委員会への参加を停止した。カナダのマーク・カーニー首相が今年1月、スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム(WEF)で、米国などの大国に対抗するため中堅国同士が結束すべきだとの趣旨の演説を行ったことへの報復措置だとの見方が出ている。
米国のエルブリッジ・コルビー戦争省(国防総省)政策次官は18日(現地時間)、SNSの「X」(旧Twitter)を通じて、「残念ながら、カナダは防衛上の約束の履行をめぐり、信頼できる進展を示せなかった」と述べた。その上で「戦争省は、常設合同防衛委員会(PJBD)が北米の共同防衛にどのような利益をもたらしているのかを再評価するため、活動を暫定的に停止する」と明らかにした。
コルビー次官は同時に、カーニー首相のダボスフォーラムでの演説文のリンクを添付し、名指しで批判した。同次官は「われわれは、これ以上、修辞と現実の隔たりから目をそらしてはならない」と指摘し、「真の大国は、共同の国防と安全保障に責任を負うことで、自らの言葉を裏付けるべきだ」と続けた。カーニー首相の当時の演説が、防衛委員会への参加停止の理由であることを事実上示した形だ。
コルビー次官の発言は、カーニー首相が演説で「我々はおおむね、修辞と現実の隔たりを指摘することを避けてきた」と述べ、米国を念頭に、大国が関税などを武器に周辺国を従属させようとしていると批判した内容を意識したものだ。ダボスフォーラムでの演説は、米国のドナルド・トランプ大統領がグリーンランドに星条旗を立て、カナダとベネズエラを米国領として表示した合成画像を「トゥルース・ソーシャル」に投稿した直後に行われた。このため、同盟国を軽視し、領土拡張への野心を示したトランプ大統領を批判したものと受け止められている。
常設合同防衛委員会は1940年、米国のフランクリン・ルーズベルト元大統領とカナダのウィリアム・ライアン・マッケンジー・キング元首相によって設立された組織だ。両国の軍・民間代表が共同防衛に関する案件を研究し、政策を勧告する役割を担ってきた。会合は少なくとも年1回開かれるが、カナダ公共放送CBCによると、昨年1月にトランプ大統領の2期目が始まって以降、開催されていないという。
米国による防衛委員会への参加停止は、両国が運用する北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)など、実質的な安全保障協力の停止を意味するものではない。ただ、今回の措置はカナダにF-35戦闘機の購入を迫る狙いがあるとの観測も出ている。

カナダは、トランプ大統領による関税賦課の威嚇に対抗し、昨年から米国のロッキード・マーティン製F-35戦闘機72機の購入計画を再検討している。コルビー次官は投稿の直前、米国のピート・フックストラ駐カナダ大使と面会したことも明らかにした。フックストラ大使はこれまで、「カナダがF-35を購入しなければ、両国の安全保障協力に深刻な結果をもたらす」と警告してきた。
先月には、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相が「米国はイランとの終戦交渉に明確な戦略を持たずに臨んでおり、米国全体がイラン革命防衛隊に屈辱を受けている」と批判した。その直後、トランプ大統領は駐独米軍5,000人の削減を発表している。














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