
太平洋で発達しつつある「スーパーエルニーニョ」の影響で、2027年の世界の平均気温が観測史上最高を更新する可能性があるとの警告が出ている。
記録的な猛暑や洪水、干ばつ、山火事の発生に加え、食料供給網の混乱につながる恐れもあるとして、懸念が高まっている。
ITメディアのギズモードやBBCなどによると、米海洋大気庁(NOAA)と欧州中期予報センター(ECMWF)などなどの主要な気候機関は、今秋に強いエルニーニョ現象が発生する可能性が高いと予測している。
エルニーニョ現象は、赤道付近の太平洋の海面水温が平年より高くなる現象を指す。特に、海面水温が平年を2度以上上回る状態が3か月以上続くと、「スーパーエルニーニョ」に分類される。
米海洋大気庁は、今年11月までに太平洋の海面水温が平年を少なくとも2.5度上回ると予測している。一部の気候モデルでは上昇幅が3度を超え、最大で7.2度に達する可能性も指摘されている。欧州中期予報センターも、年末までに赤道付近の太平洋の海面水温が平年より約3度高くなると見込んでいる。さらに、ここ数週間の熱帯太平洋における水温の上昇ペースは異例の速さだと分析されている。
気象学者らは、現在の状況を歴史上最悪級のエルニーニョとされる1877年の事例と比較している。当時は太平洋の海水温が急激に上昇し、アジアやブラジル、アフリカなど各地で深刻な干ばつや凶作、大飢饉が相次ぎ、数千万人規模の死者が出たと伝えられている。

専門家らは、今回の「スーパーエルニーニョ」が地球の平均気温をさらに押し上げる可能性が高いとみている。
英国レディング大学のリーズ・スティーヴンス教授は、「今回のエルニーニョが非常に強いレベルに発達した場合、2027年の世界の気温が観測史上最高を更新する可能性が高い」との見方を示している。実際、2023~2024年にかけての強いエルニーニョの影響後も、地球は観測史上最も暑い年を記録している。
エルニーニョは、地域ごとに極端な気象現象を引き起こす要因にもなる。北部ペルーや南部エクアドル、東アフリカなどでは洪水のリスクが高まる一方、オーストラリアやインドネシア、南米北部では干ばつや山火事のリスクが拡大すると予想されている。
国連防災機関(UNDRR)は、強力なエルニーニョが世界の食料供給網にも深刻な影響を及ぼす可能性があると警告している。
アジアやオーストラリアでは干ばつによりトウモロコシやコメ、小麦の生産減少が懸念される一方、米国の一部地域では降水量の増加によって大豆の生産が増加する可能性があるとの分析もある。
特に中東地域での紛争による供給網の不安定化が続く中、エルニーニョ現象が重なれば、海上物流や食料市場の変動性が一段と高まるとの懸念も出ている。
研究チームは、2015~2016年に発生した前回のスーパーエルニーニョについて、世界経済に約3兆9,000億ドル(約619兆6,100億円)の損失をもたらしたと推計している。
今回も同様規模の経済的打撃が生じる可能性があるとの見方が出ている。
















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