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日韓が急に近づき始めた本当の理由…トランプ政権下で現実味を帯びる“米国不在”の不安

梶原圭介 アクセス  

引用:青瓦台(韓国大統領府)
引用:青瓦台(韓国大統領府)

日韓両首脳が「シャトル外交」を通じて関係強化を進めている背景には、トランプ米政権の存在があるとの分析が出ている。アジア地域で「力の空白」が生じることへの懸念が影響しているとの見方だ。

高市首相が最も頻繁に対面した外国首脳の一人に李大統領…日韓接近が鮮明に

20日、前日に韓国・安東(アンドン)で行われた日韓首脳会談を報じる中で、両首脳の会談回数の増加に注目が集まった。それだけ日韓関係の緊密化を示す動きと受け止められている。

毎日新聞は、高市政権発足から約半年の間で、高市首相が最も多く対面会談を行った外国首脳が李在明(イ・ジェミョン)大統領だと伝えた。外務省関係者の一人は同紙に対し、「ここまで関係が改善し、涙が出そうだ」と語った。

日本経済新聞(日経)は2023年5月、日韓首脳によるシャトル外交が12年ぶりに再開されて以降、約3年間で6回に達したと報じた。また朝日新聞は、高市首相と李大統領がこの4か月間に互いの地元を行き来し、親密な関係を印象づけたと伝えた。さらに読売新聞は、韓国側が高市首相を国賓級の待遇で迎えた点に注目した。

引用:青瓦台(韓国大統領府)
引用:青瓦台(韓国大統領府)

日韓接近の背景にトランプ政権の「ドンロー主義」

複数のメディアは、日韓両首脳の関係緊密化の背景にはトランプ大統領の存在があると分析している。国際情勢が不安定化するなかで、トランプ米大統領が西半球を重視する姿勢を強めているためだとの見方だ。

日経は、トランプ大統領が西半球を重視する「ドンロー主義(トランプ流のモンロー主義)」を掲げているとしたうえで、日韓両国がアジアにおける米国の「力の空白」を懸念しているとの見方を示した。同紙は、東アジアでは北朝鮮、中国、ロシアなどによる軍事的な脅威が顕在化している一方で、米国の関与が不可欠であるにもかかわらず、トランプ政権が中東対応を優先していると指摘した。

その結果、「アジアでの力の空白」が現実味を帯びるなかで日韓の接近が進んでいると分析した。こうした危機感を背景に、韓国海軍と海上自衛隊が実施する捜索・救難演習を約9年ぶりに再開する案も検討されているという。

朝日新聞は、予測困難なトランプ政権による東アジアへの関与低下への懸念や、イラン情勢に伴うエネルギー危機への対応など、混迷する国際情勢が日韓の接近を促していると分析した。韓国政府関係者は同紙に対し、「日韓は協力する以外に選択肢がない」と述べた。

米国と中国の関係が接近している点も不確定要素となっている。

同紙は、14~15日に行われた米中首脳会談でトランプ大統領が米中を「主要2か国(G2)」と表現したと伝えたうえで、「日本と韓国を除いた形で、米中の二大国が直接交渉によって国際秩序の方向性を決定する可能性がある」と指摘した。

さらに、高市首相と安定した関係を維持している韓国の重要性が高まっているとし、「米中会談直後に首脳会談を行い、国際社会に協力関係をアピールできた」との日本外務省関係者の評価を紹介した。

引用:青瓦台(韓国大統領府)
引用:青瓦台(韓国大統領府)

対中安保協力では日韓に温度差も

ただ、対中をめぐる脅威認識を背景とした安全保障協力の面では、日韓の間に温度差も見られる。

日経は、中国による台湾侵攻への警戒感を強める日本が、韓国を対中包囲網に取り込もうとする動きを見せている一方、中国側は韓国に対して対日批判への同調を促していると解説した。その上で、韓国政府は中立的な立場の維持を重視していると伝えた。

政府は韓国との防衛協力を一段と強化する方針を掲げている。

しかし、両国間で燃料や弾薬などの軍需物資を相互に融通できるようにする物品役務相互提供協定(ACSA)の締結に向けた交渉は、進展が容易ではない見通しだ。

関係者によると、7日に初めて開かれた日韓外務・防衛当局による次官級協議(2プラス2)で、日本側はACSA締結を提案したものの、韓国側は慎重な姿勢を示したと朝日新聞が伝えた。

また日経は、歴史問題や中国との関係への配慮などから、韓国側には締結に慎重な意見が根強いと指摘した。

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