
ロシア連邦中央銀行やロシア最大手銀行ズベルバンクなどの金融機関が独自の防空網を構築した。ウクライナの相次ぐドローン(無人機)攻撃から銀行を守るためだ。
フィナンシャル・タイムズ(FT)は27日(現地時間)、「ロシアの中央銀行をはじめとする金融機関が直接ドローンを撃墜できるようにする法案が前日に発効した」と報じた。新法によれば、ロシア中央銀行やズベルバンク、Rosinkasなどは独自の武装によりウクライナのドローンを撃墜できるという。このうちRosinkasはロシア中央銀行傘下の現金輸送・警備会社だ。
これら3つの金融機関は電波妨害を含む複数の防空網を駆使してウクライナのドローンを迎撃でき、所属職員の武器所持も許可される。ただし、これらの防空網にかかる費用は政府が支援しない。特に民間銀行のズベルバンクは、独自の予算で防空網を構築し、職員を武装させなければならない。
金融機関だけでなく、ロシアの大企業も自前の資金でドローン防空網を構築している。しかし、莫大な費用のため政府への不満が急速に高まっている。あるロシアの高位実業家はFTに「我々がドローン防御のために自前の資金で全ての装備を購入している」とし、「政府は何の支援もしていない」と不満をぶちまけた。
実際、ロシア最大の財界団体「ロシア産業企業家同盟(RSPP)」の会長で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「ビジネス・オンブズマン」に任命したアレクサンドル・ショーヒン会長は昨年、企業のドローン防空網費用の半分を政府が負担するよう要請したが、当局は何の反応も示さなかったという。ショーヒン会長は26日、「企業は自衛のために費用を支払う用意があるが、必要な装備の調達と運用人員の確保に苦労していることをプーチン大統領に報告した」と述べた。
プーチン政権が民間企業にドローンを防御するための独自武装を許可しながらも関連費用を一切支援しない背景には、ロシアが直面する経済難がある。24日、英ガーディアンは「現在、ロシア国民は増税とインフレに苦しんでいる。景気後退の中で企業は閉鎖し、食料品や公共料金の負担も増している」とし、「現地のSNSには増税に抗議する小規模事業者、繰り返されるネット遮断に不満を漏らす住民、大規模な家畜殺処分命令に怒るシベリアの農民たちの映像が拡散している」と伝えた。
ロシア企業の不満も高まっている。クレムリン(ロシア大統領府)は今年初めにほとんどのメッセージアプリを禁止または制限し、国家が支援する代替サービスのみを残した。モスクワ中心部と一部地域ではモバイルネットワークが繰り返し遮断されるか完全に切断され、ロシア企業はこれにより数十億ルーブル規模の損失を訴えている。
各界各層で不満が蓄積する中、一部ではクーデター説まで浮上した。プーチン大統領が内部クーデターや暗殺を避けるため地下バンカーに潜伏しているとする西側メディアの報告書も公開された。ガーディアンは「クーデターが迫っているという見方は誇張だ」としつつも、「プーチン大統領周辺のエリート層の失望感は急速に高まっている」と伝えた。
一方、ロシアは今年に入って何度も本土深くにある製油所など主要産業インフラがウクライナのドローン攻撃を受け、防空網に穴が開いたのではないかとの評価を受けている。

FTの報道が出た27日の当日にも、ロシアが占領したクリミア半島の要衝セヴァストポリの中央銀行支店が攻撃を受けたという。23日にはウクライナ軍が国境からなんと1,700km離れたロシアのペルミ地方の化学工場を攻撃し、生産を中断させた。前日にはウクライナから約700km離れたヤロスラヴリの製油所がウクライナの攻撃を受けた。
ロシア当局が金融機関に独自の防空網構築を許可したことも、ロシアの防空網が深刻に脆弱化したことを示す証左と解釈されている。
















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