強制労働を巡る301条関税でも既存の貿易協定は維持
EUとのターンベリー合意との両立に言及、市場の懸念払拭図る

米政府は4日(現地時間)日本や欧州連合(EU)などと締結した既存の貿易合意を尊重し、新たな関税措置によって二国間協定が損なわれることはないと明らかにした。
ロイター通信などによると、米通商代表部(USTR)のジェイミソン・グリア代表は同日、フランス・パリで開かれた経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会に合わせて記者団の取材に応じ「合意は合意だ」と述べ「既存の貿易合意を尊重する」と強調したという。
グリア代表の発言は、ホワイトハウスが前日、通商法301条に基づき強制労働によって生産された疑いのある製品の流入を十分に防止できていない60の国・地域に対し、最低10%の輸入関税を課す方針を発表したことを受けたものだ。新たな関税措置が米国とEUが昨年締結したターンベリー合意と抵触するのではないかとの懸念が市場で広がっており、その鎮静化を図る狙いがあるとみられる。
グリア代表は「我々は合意は合意であることを理解している」とし「調査で確認された問題のある貿易慣行には対処する必要があるが、ターンベリー合意も考慮する」と説明した。
さらに「EUがターンベリー合意を誠実に履行することを前提に、現在進めている措置と既存合意は両立可能だと考えている」と付け加えた。
米国とEUは昨年7月にスコットランド・ターンベリーで貿易合意を締結した。EUが米国製工業製品に対する関税を撤廃する一方、米国はEUからの輸入品に対する関税の上限を15%に抑えることが柱となっている。
ただし、ドナルド・トランプ米大統領はこの協定が7月4日までに批准されなければ、欧州製自動車への関税を25%へ引き上げる可能性があると警告している。
一方、EUの貿易・経済安全保障担当を務めるマロシュ・シェフチョビチ氏も同日「合意は合意だ」と述べ、グリア代表と同じ表現を用いた。
シェフチョビチ委員は「最終的な結果がターンベリー合意の枠内に収まることが極めて重要だ」とした上で「EUとしては、すべての関税を含めた実効関税率が15%を超えないことを期待している。この考えはグリア代表にも伝えた」と語った。
また、グリア代表は産業の過剰生産能力問題を対象とする別の301条調査についても、近く結論を取りまとめる見通しを示した。
グリア代表は「案件の複雑さから日程には多少の違いがあるが、完了までにはあと数週間しかかからない」と述べた。














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