米、ドイツへのトマホーク配備撤回を検討…兵力削減に続きNATOに波紋

米国防総省がロシアの反発を懸念し、ドイツへの長距離巡航ミサイル・トマホークの配備計画を撤回する案を検討していると米ポリティコが4日(現地時間)に報じた。
欧州当局者2人と米当局者1人によると、ドナルド・トランプ米政権はドイツへのトマホーク配備がロシアに緊張を高める行為とみなされ、報復措置を招く可能性を懸念しているという。
これは米国の主要同盟国であるドイツと長年進めてきた合意を覆す措置だ。
この合意はジョー・バイデン前政権下で結ばれたもので、ドイツはロシアの脅威への対応を目的に進めてきた長距離打撃能力の整備計画の見直しを迫られる可能性がある。
また今回の動きは北大西洋条約機構(NATO)における米国の役割縮小を進める、より広範な政策転換の一環とも受け止められている。米国はドイツへの数千人規模の米軍増派計画を取りやめたほか、一部軍事資産の削減も進めており、長年にわたり維持してきた同盟関係に変化が生じつつある。
NATO欧州連合軍最高司令官を兼務するアレクサス・グリンケビッチ米欧州軍司令官は今週、軍幹部らに対し「欧州は現在も近い将来も、より大きな役割を果たすことができる」とし「米国は装備や兵力を他地域へ再配置することに重点を置く」と説明した。
米国はロシアの反応だけでなく、兵器の在庫不足も考慮しているとみられる。
米軍はイランとの戦争初期に数週間で数千発規模のトマホークやパトリオット・ミサイルを消費した。ピート・ヘグセス米国防長官も先月の議会証言で、消耗した弾薬の補充には数カ月から数年を要する可能性があると述べていた。
ロシアの脅威を背景に軍の近代化を急いできたドイツでは、こうした動きへの懸念が広がっている。
フリードリヒ・メルツ独首相は先月、米国がトマホーク不足を理由にドイツ配備を見送る可能性があるとの見方を示していた。ドイツ公共放送のインタビューでは「米国自身も現時点で十分な在庫を確保できていない」と語っていた。
ドイツ紙ビルトによると、米国は今週開かれた四半期ごとの軍首脳会議で、戦闘機やドローン、海軍部隊の削減を含むNATOでの役割見直しについても説明した。
匿名の米国防総省関係者は「同盟国ができる限り迅速かつ効果的に備えられるよう、必要な情報と明確な方針を提供することが目的だ」とし「欧州の通常防衛は同盟国が主体的に責任を負うべきだという意味だ」と説明した。

ドイツは米国の政策転換による影響を最も大きく受ける国の一つとされる。
米国防総省は今春、ドイツへの米軍5,000人派遣計画を取りやめており、この決定は欧州当局者や共和党内の安全保障強硬派にも衝撃を与えた。この決定はメルツ首相がイラン戦争を巡りトランプ大統領について「自ら屈辱を招いた」「戦略を欠いている」と批判した直後に発表された。
ただし、米国防総省は削減対象となる兵力を欧州域内の別地域へ再配置するかどうかについては、まだ最終決定していないという。
ドイツや欧州諸国は現在、隣接地域で続くロシアとウクライナの戦争に直接対処しなければならない立場にある。
ロシア軍はポーランドとリトアニアの間に位置する飛び地カリーニングラードに、核弾頭搭載が可能なイスカンデル・ミサイルを長年配備している。また、ベラルーシには欧州各地へ短時間で到達可能な極超音速中距離ミサイル・オレシニクも配備している。
ドイツのボリス・ピストリウス国防相は先月、自国メディアのインタビューで「我々は1年半前にトマホーク購入を米国へ正式に要請した」とし「いまだ回答を待っている状況だが現在の国際情勢を考えると大きな期待はしていない」と述べた。
またドイツ国防省によると、ピストリウス国防相は昨年7月の訪米時にヘグセス長官と会談し、トマホークを発射できる米国製地上発射システム・タイフォンの導入についても打診したが、その後進展は伝えられていないという。
ドイツ政府は現在、長距離精密打撃能力の不足を補うため、欧州製システムの導入を含む代替策を検討している。
ただし、ドイツ軍当局はドローンや低コスト兵器だけではトマホーク級ミサイルを完全に代替することは難しいとの認識を示している。米国の関与縮小によって欧州が防衛産業の供給能力を上回るペースで軍事的空白を埋めなければならなくなる可能性をドイツ政府が懸念しているとポリティコは伝えた。














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