
米国のドナルド・トランプ政権とイラン政権が、ホルムズ海峡で武力衝突を続けている。ただ、いずれも相手国の先制攻撃に対する反撃だと強調し、戦線の拡大には距離を置く構えだ。
イランの半官営のメフル通信などによると、イラン陸軍は3日(現地時間)「テロ的で攻撃的な米軍が、オマーン湾でホルムズ海峡の規定に違反し、イランの商船に攻撃的な敵対行為を行ったため、その行為を指揮していた指揮統制施設を攻撃した」と発表したという。
さらに「この指揮統制施設は、イランの領海に接近を試みていた米国の駆逐艦に搭載されていた」と主張し「この施設は、最近の米国による対イランの敵対行為に責任がある」と強調した。イラン軍はそのうえで、地上の発射台から地対艦ミサイルとみられる発射体2発を撃つ、8秒間の映像を公開した。
一方、米軍はイラン軍の発表を全面的に否定した。米中央軍(CENTCOM)は「イランが嘘をついている」とし「海上に配備された米軍の装備は、引き続き安全に、妨害を受けることなく、飛行や航海の作戦を行っている」と主張した。ただ、イランによる米軍の駆逐艦への攻撃の発表そのものが虚偽だというのか、攻撃の試みはあったが迎撃したというのかは、明確に説明しなかった。
CNNによると、米軍は3日、ボツワナ船籍のタンカー1隻が、イランの原油輸出の重要な拠点であるハルク島に向かうためにペルシャ湾への進入を試みると、ヘルファイアミサイルを発射して停止させたという。イランが言及した「米軍によるイラン船舶への攻撃行為」は、この出来事を指しているとみられる。
米国とイランの終戦の了解覚書(MOU)の協議が行き詰まるなか、両国はホルムズ海峡で局地的な武力衝突を続けている。
米軍は先月7日、ゲシュム島やバンダルアッバスなど、ホルムズ海峡の一帯にあるイランの軍事施設を攻撃した。イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)はすぐに、ホルムズ海峡の近くの米軍艦艇に反撃を加えたと発表した。
両国はその後も、相手国の休戦違反を主張して空爆をやり取りしたが、革命防衛隊が米軍の攻撃の発信地をたたくとして、クウェートやバーレーンなど米軍基地のある周辺国への空爆を始めたことで、戦線が徐々に拡大している。
特に、民間施設であるクウェート国際空港が3日、イラン軍のドローンやミサイルの攻撃を受け、インド国籍の民間人1人が死亡し、63人が負傷したことが明らかになり、緊張が大きく高まった。
ただ、米国とイランはいずれも、依然として相手国の先制攻撃に対する対応だという点を強調し、戦争の再開には一線を画す構えだ。
マルコ・ルビオ米国務長官は3日、下院外交委員会の公聴会で「ホルムズ海峡を通過する船舶がイランの攻撃を受ければ、米国は、違法に民間の船舶を攻撃するドローンを撃墜する。すると、イランはその地域の米軍の施設を攻撃し、我々は兵力を守るために、イランのドローンや、ドローンを発射する勢力を、防御的な観点から攻撃する」と述べた。
イランのアッバス・アラグチ外相はこの日、レバノンのメディア、アル・マヤディーンのインタビューで「我々は戦争を望んだことはなく、名誉ある平和を望んでいる。理性が勝てば、戦争は再開されないだろう」と述べた。そのうえで「イランは自衛権を行使し続ける準備ができている。米国は最近、我々の真の力を実感した」と付け加えた。













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