4年に及ぶ戦争終結へ首脳会談を模索 「いつでも会う準備がある」

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が先月、ロシアの新興財閥(オリガルヒ)であるロマン・アブラモヴィッチ氏を通じ、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対し、戦争終結に向けた首脳会談に応じる意向を伝えていたことが分かった。プーチン大統領は対面での協議を拒否した。
フィナンシャル・タイムズ(FT)は7日(現地時間)、4人の情報筋の話として、ゼレンスキー大統領が先月、アブラモヴィッチ氏をウクライナの首都キーウに招き、プーチン大統領に向けたメッセージを託したと報じた。内容は、2022年2月に始まり、4年以上続くウクライナ戦争を終わらせるため、首脳会談に臨む用意があるというものだった。
ゼレンスキー大統領も同日、英国・ロンドン訪問中に、自らがこうした提案を行った事実を認めた。ゼレンスキー大統領はスカイニュースに対し、「私は、我々があなたたち(ロシア)に提示する最大の妥協は停戦だと、アブラモヴィッチ氏に伝えた」と述べ、「いつでも、どのような形式でも」プーチン大統領と会う準備があるとの意向を託したとしている。
アブラモヴィッチ氏はロシアに戻り、ゼレンスキー大統領の意向をプーチン大統領に伝えた。5日にサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)に出席したプーチン大統領は、先月21日に「財界人の一人」であり「同僚」でもある人物と会ったと明らかにしている。アブラモヴィッチ氏の名前には直接触れなかったものの、オリガルヒを介してウクライナ側と水面下で接触していたことは認めた。

しかし、プーチン大統領は、自身が「ゼレンスキー大統領に会う理由はない」と答えたと説明した。さらに、その実業家が政府特使のような公式資格で動いたわけでもなかったと付け加えた。
その後、ゼレンスキー大統領は4日、プーチン大統領に公開書簡を送り、改めて対面協議を求めた。公開書簡には、プーチン大統領について「(政権)26年が過ぎ、老化の兆しが現れ始めており、年齢を重ねるほど疲労感はさらに強まるだろう」などとする、強い圧力をかける表現も盛り込まれていた。これに対し、プーチン大統領は書簡を「無礼」だと批判し、首脳会談は無意味だとして提案を拒んでいる。
ウクライナの高官の一人は、アブラモヴィッチ氏が先に伝えたメッセージにも公開書簡と似た内容が含まれていたものの、語調はより穏やかだったと明かした。ウクライナは前線で抗戦を続ける一方、昨年から首脳会談などを提案し、停戦への糸口を探ってきた。
ただ、アブラモヴィッチ氏側は、ウクライナ戦争が両首脳による直接交渉だけで終結するのは難しいと見ている。アブラモヴィッチ氏の側近はFTに対し、「ゼレンスキー大統領は、首脳同士が会えば『カリスマの魔法』によってすべての問題を解決できると考えている」と指摘した上で、「これはプーチン大統領がまったく好まないやり方であり、米国のドナルド・トランプ大統領にも通用しない」と述べた。
プーチン大統領は4日、ロシアは協議に開かれているとしながらも、対話は「双方の外務省や情報機関のレベルで」進められるべきだと発言していた。交渉の初期段階から両首脳が直接会談する方式は、選択肢から外されたものとみられる。
アブラモヴィッチ氏は、イングランド・プレミアリーグのチェルシーFC元オーナーとして知られる億万長者だ。エネルギーや鉄鋼事業で富を築き、プーチン大統領の側近とされてきた。ただ、ウクライナ戦争の勃発後、英国政界からの圧力を受けてチェルシーFCを売却し、西側諸国に保有していた資産を凍結されるなど、戦争によって大きな損失を被った。
その後、2022年末には、黒海経由でのウクライナ産穀物輸出を保証する交渉や、捕虜交換をめぐる対話の仲介に関わっているとされる。ウクライナの高官の一人はFTに対し、「彼はウクライナ人が信頼できる唯一のロシア人であるため、必要な存在だ。誰とでもうまくやっていける」と語った。













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