
ドナルド・トランプ米大統領が推進する「トランプ級戦艦」が、中国の空母キラーミサイルに無防備な状態で晒される可能性があるとの分析が行われた。
また、米国の原子力推進戦艦の建造設備が不足しており、予定通り戦艦を建造できるかについても疑問が呈された。
8日、サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)の報道によると、下院軍事委員会(HASC)は5日、「トランプ級戦艦」艦隊造船事業の問題点を指摘し、2027年度の国防予算案にいくつかの修正案を提案した。
米、原子力推進戦艦を建造可能な造0船所は2か所のみ
民主党のジョー・コートニー議員(コネチカット)が提出した修正案では、海軍長官に、計画中のBBG(X)原子力推進誘導ミサイル戦艦が既存の核艦建造プログラムを妨げずにどのように建造されるのかについての報告書を来年3月までに準備するよう要求した。
修正案は、原子力推進BBG(X)戦艦の生産のために米国の核造船所と海洋産業基盤に負担がかかる可能性を懸念した。
米国内で原子力推進戦艦を建造できる造船所はわずか2か所であり、さらにそのうち水上艦生産ラインを稼働中なのは1か所のみで、海軍用原子炉供給業者も1か所だけだ。
トランプ大統領は昨年12月に「黄金艦隊」構築計画を発表し、BBG(X)または「トランプ級戦艦」建造構想を発表した。
この構想によれば、海軍は2055年までに最大15隻のBBG(X)級戦艦を建造し、最初の戦艦は2036年に引き渡される予定だ。
ここでのBBは戦艦、Gは誘導ミサイル、「X」はまだ設計を開発中であることを示している。
コートニー議員は「設計概念すらない戦艦に資金を割り当てることは、造船および船舶建造の失敗事例から得たすべての教訓と正反対の行為だ」と述べた。
中国、空母キラーミサイルに脆弱な見通し
コートニー議員は現代海上戦での戦艦の脆弱性について警告し、「空母キラー」として広く知られる中国の東風-21D(DF-21D)弾道ミサイルなど中国人民解放軍(PLA)の東風ミサイルシリーズの能力を例に挙げた。
コートニー議員は2022年4月、ウクライナのネプチューンミサイルによってロシアの旗艦モスクワが沈没した事件を一例として挙げた。
彼はネプチューンミサイルは中国のDF-21ミサイルに比べれば「おもちゃの銃」だとし、米国には鈍重で脆弱な戦艦ではなく、分散された殺傷力が必要だと指摘した。
DF-21弾道ミサイルシリーズは射程が約1800kmに達する。その中で「空母キラー」変種のDF-21Dは世界初の対艦弾道ミサイルとして知られている。
中国で米領グアムを攻撃できるDF-26B弾道ミサイルもまた空母キラーと呼ばれている。
トランプ大統領は「黄金艦隊」艦艇が既存の駆逐艦よりも大きく、AI(人工知能)と指向性エネルギーレーザーを搭載するとし、最強の戦力を持つと断言した。
しかし、SCMPは中国の「空母キラー」ミサイルに脆弱な可能性があるとの懸念が出ていると報道した。
米中、商業用船舶の建造占有率0.1% vs 53.0%
トランプ政権が造船能力を強化しようとしているのは、インド太平洋地域で中国の急速な軍事力増強が進むことへの懸念が高まる中でのことだ。
ワシントンのシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が昨年9月に発表した評価によれば、2024年の商業用船舶建造において中国が占める割合は53%を超え、米国は0.1%に過ぎなかった。
コートニー議員の修正案は、原子力推進戦艦を建造できる米国内の2か所の造船所のうち1か所が、供給網や人材不足などの理由からジェラルド・R・フォード級航空母艦の建造にすでに支障が出ている点を指摘した。
修正案はまた、米海軍に原子炉を供給する業者が1か所しかないという点も強調した。















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