
フィリピンが南シナ海の領有権争いが続くスカボロー礁に中国が人工構造物を設置したとして反発を強めている。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が9日に報じたところによると、フィリピン政府は航空監視の結果、中国がスカボロー礁内にプラットフォームを建設したと主張したという。
フィリピンの海洋戦略を統括する政府横断組織・西フィリピン海国家タスクフォースは9日、航空監視によって幅約6メートル、長さ約6メートルの浮体式プラットフォームが礁内で確認されたと明らかにした。
調査チームによると、この構造物はアンテナとみられ、上部には人が乗っている様子も確認されたという。
同機関は施設設置の性質や目的、影響について引き続き監視と評価を続けるとしている。
フィリピン外務省は中国政府に対して「適切な外交的措置を講じた」と述べ、抗議を行ったことを示唆した。
これに対し、中国外務省の林剣報道官は9日の定例記者会見で「スカボロー礁は中国領土の一部であり、周辺海域に対する完全な主権を有している」と主張した。
そのうえで「科学研究を含むあらゆる活動は主権国家の正当な権利だ」と述べ「フィリピンは海洋権益を侵害する挑発や扇動をやめ、この問題を誇張しないよう求める」と牽制した。
これに先立ち、米国に拠点を置く海洋監視団体シーライトは先月28日に撮影した衛星画像をSNSで公開し「スカボロー礁内で小型の反射物体が明確に確認できる」と指摘していた。
フィリピンのギルベルト・テオドロ国防相は先月30日にシンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で、この構造物について初めて公の場で言及した。
フィリピン沿岸から約230キロメートルに位置するスカボロー礁はラグーンを囲む三角形のサンゴ礁で、中国とフィリピンの間で長年続く領有権争いの主要な争点の一つとなっている。
SCMPによると、中国海警局は「法令に基づき、領海に不法侵入した船舶に対処し関連海域の管理をさらに強化する」と表明したという。
中国軍はフィリピン軍と米インド太平洋軍がスカボロー礁海域で5日間にわたる合同海上演習を終えた翌日の先月31日、当該礁周辺で戦闘準備態勢を整えた巡視活動を行った。
中国は近年、係争海域における主権主張を強めるとともに、フィリピン船舶の活動を制限するため、昨年9月にはスカボロー礁を自然保護区に指定すると発表した。
こうした動きは中国にスカボロー礁で施設を建設する権利があるのかを巡る議論をさらに過熱させている。
中国が保護区指定に続いて構造物設置を進めていることで、両国間の緊張が一段と高まる可能性がある。















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