トランプ政権、関税返還に消極姿勢…最高裁の違法判断後も法廷闘争続く

ドナルド・トランプ米政権が相互関税を違法とする米連邦最高裁判所の判断を受けた後も、徴収済みの関税返還に消極的な姿勢を見せているとの指摘が浮上している。
米政治専門メディアのポリティコが9日(現地時間)に報じたところによると、米司法省は同日、関税を巡る連邦巡回控訴裁判所の審理に出席したという。
トランプ政権出身のある貿易専門弁護士は「政府の立場は明確だ。裁判所には関税返還を執行する権限がなく、特定企業への返還を命じない限り、徴収した資金を返還する考えはないということだ」と説明した。
トランプ政権が重視しているのは、最高裁判決の詳細な解釈だ。最高裁は今年2月、相互関税を違法と判断したものの、関税返還の範囲や方法については明確な判断を示さなかった。

関税返還に関する判断を下したのは最高裁ではなく、米国際貿易裁判所(CIT)だった。
CITは今年3月、あるフィルター製造企業が起こした関税返還請求訴訟で原告側の主張を認め、相互関税を支払ったすべての輸入業者に対して関税を返還するよう命じた。また、最高裁判決の対象となるすべての輸入業者が返還を受ける資格を持つとの見解も示した。
これを受け、トランプ政権は4月20日から輸入業者による返還申請を受け付けているが、問題となっているのは「すべての輸入業者」ではなく特定の種類の関税納付に限って返還資格を認めている点だ。
さらに米司法省は最近、CITの判決に対しても控訴した。
司法省は「すべての企業への関税返還を命じるのは裁判所の権限を超えている」と主張したうえで「米税関・国境警備局(CBP)がすでに確定した関税納付案件については返還できない」と強調している。
これは、相互関税の違法判断後にCBPが数千社の輸入業者を対象に返還手続きを進めているものの、これは自発的手続きに過ぎず、徴収済みの関税を全面的に返還する義務はないという立場を示したものと受け止められている。
トランプ政権の強硬姿勢、通用するのか
一部では相互関税を違法とした最高裁判決と、全輸入業者への返還を命じたCITの判断の双方に異議を唱えるトランプ政権の戦略が結果的に認められる可能性もあるとの見方が出ている。
最高裁は昨年、連邦裁判所が訴訟当事者以外にも効力が及ぶ「全国的差し止め命令」を出すことはできないとの判断を示した。
仮にトランプ政権の主張が控訴審で認められた場合、関税返還を求める企業はそれぞれ個別に米政府を相手取って訴訟を起こさなければならなくなる。
その場合、大企業だけでなく多くの中小企業も高額な訴訟費用の負担を理由に返還請求そのものを断念する可能性がある。
こうした状況を受け、小規模輸入業者らは最近、CITに対し「個別訴訟の費用を負担できない」として、返還制度の対象外となった企業を代表する集団訴訟を認めるよう求めたと伝えられている。
返還額は最大約26兆円規模
ロイター通信は連邦最高裁が今年2月に相互関税を違法と判断した際「米政府が輸入業者に返還しなければならない関税総額は1,660億ドル(約26兆6,400億円)に達する」と報じた。
ABCニュースは先月28日「トランプ政権はこれまでに相互関税収入のうち206億ドル(約3兆3,100億円)の返還を完了した」と報道した。これは返還が承認された850億ドル(約13兆6,400億円)の約24.2%に相当するという。
一方でトランプ政権が相互関税の返還金を全額支払った場合、イラン情勢への対応に伴う財政負担と相まって財政負担が一段と高まる可能性があるとの見方も出ている。
特に11月の中間選挙を控える中、イラン情勢の影響による物価高や原油高が十分に落ち着かない段階で大規模な資金流出が発生すれば、トランプ大統領の政治的立場にも影響を及ぼす可能性があると指摘されている。















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