中国、北朝鮮を戦略的パートナーとして重視

中国の習近平国家主席は訪朝最終日の9日(現地時間)、北朝鮮・平壌(ピョンヤン)の中朝友誼塔と朝鮮労働党中央幹部学校を訪れた。前日の首脳会談で「新時代における中朝関係の発展」に言及し、関係の格上げを約束する中、両国の友好の伝統を次世代に引き継ぐというメッセージを発信した。外交関係者の間では、中国が北朝鮮を米中戦略競争における戦略的パートナーとして重視し、軍事協力を含む全方位的な協力を本格化させようとしているとの分析が出ている。
習主席が朝鮮労働党中央幹部学校を初訪問
習主席と北朝鮮の金正恩総書記は、1泊2日の訪朝期間中、公式会談のほか、8日の晩餐会と9日の昼食会の計2回、食事を共にした。初日には金日成広場での歓迎式と平壌体育館での公演に続き、2日目には中朝友好をアピールする行事が続いた。習主席が同日午前、彭麗媛夫人と共に平壌の牡丹峰(モランボン)の麓にある中朝友誼塔を参拝した際、金正恩総書記夫妻も同行した。友誼塔は朝鮮戦争当時、北朝鮮で戦死した中国人民志願軍を追悼するため、1959年に建てられた記念碑である。習主席は「中国人民志願軍烈士永遠不滅」と書かれた花輪の前で黙祷し、儀仗隊の分列行進を見守った。
中朝首脳は続いて、平壌の朝鮮労働党中央幹部学校を訪れた。中国の最高指導者が同校を訪れたのは初めてである。両首脳は学校内に常緑のモミの木を1本植え、標石には「中朝友誼万古長青(中朝の友誼は永遠に色あせない)」という文言が中国語と朝鮮語で刻まれた。友誼塔が過去に血で結ばれた同盟関係を象徴するものだとすれば、将来の権力中枢を担う人材を育てる中央幹部学校の訪問は、中朝友好を制度化しようとする意思を示したものと解釈される。

「軍事協力」は北朝鮮側の報道に含まれず
中国と北朝鮮は平壌での首脳会談を機に、軍事協力も強化するものとみられる。8日に錦繡山(クムスサン)迎賓館で行われた首脳会談で、習主席は「外交、法執行、軍などの交流を強化しよう」と述べた。2018~2019年に行われた中朝両軍高官の会合で「両軍関係の発展」が言及されたことはあるが、習主席が軍の交流に直接言及した例は確認されていない。
日米の軍事協力強化、日米韓の安全保障協力拡大、台湾海峡を巡る緊張が高まる中、中国が北朝鮮との軍事協力を強化し、これを戦略的資産として活用しようとしているとの分析が出ている。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は、回復した中朝関係が北朝鮮の軍事力増強を間接的に促進する可能性があると伝えた。中国が外交・経済面で安全網を提供し、ロシアが技術支援を続ければ、北朝鮮の海軍近代化と無人機・ミサイル戦力の強化が加速するとの見方を示した。ただし、北朝鮮の労働新聞は首脳会談の結果を伝える際、「軍事交流」については触れなかった。
2019年に習主席が訪朝した当時、中国側の発表文では、非核化を意味する「朝鮮半島」という表現が習主席の発言に9回登場し、習主席は「半島の非核化と地域の長期的安定のために建設的役割を果たす用意がある」と述べた。しかし、昨年9月に北京で行われた中朝首脳会談の発表文では、習主席による朝鮮半島への言及は2回にとどまった。今回の会談発表文では、朝鮮半島への言及そのものがなくなった。
対北朝鮮制裁が形骸化する可能性も
対北朝鮮制裁が一部で形骸化する可能性も指摘されている。習主席は会談で、中朝間の開発戦略の連携強化と、経済・貿易・農業・建設・科学技術・医療保健分野での協力を拡大する方針を示した。また、国境地域の通商拠点の全面再開、民間航空便と国際旅客列車の運行再開を機に、人的往来を増やす考えも示した。新型コロナウイルスの感染拡大以降、停滞していた中朝経済交流を全面的に回復させる狙いとみられるが、国連の対北朝鮮制裁を迂回する外貨や物資の調達が行われる可能性は排除できない。中国という強力な後ろ盾を確保した北朝鮮が、核戦力の強化と経済発展を同時に推進する並進路線を加速させるとの見方も出ている。

















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