
米国のドナルド・トランプ大統領がイランとの終戦了解覚書(MOU)に署名した中、イランのミサイル保有を事実上認める発言が明らかになり、米国内で波紋が広がっている。イランの弾道ミサイル問題を理由に米国のバラク・オバマ元大統領の核合意を強く批判していたトランプ大統領が、今回は全面的な制限要求から一歩後退したような態度を見せたためだ。
ロイター通信によると、米ホワイトハウスの当局者はトランプ大統領とイランのマスウード・ペゼシュキヤーン大統領が17日(現地時間)、両国間の戦争を終結させるためのMOUに署名したと明らかにしたという。これに先立ち、米国のJD・ヴァンス副大統領とイランのモハンマド・バーゲル・ガーリーバーフ国会議長が14日、当該文書にデジタル署名をしたと伝えられている。
トランプ大統領は同日、フランスで記者たちにイランの弾道ミサイル保有問題について「他の国が持っているのに、イランが一部も持てないのは少し不公平だ」と述べた。彼は続けて「サウジアラビアとカタールはミサイルを持っているのに、イランは持てないようにするのか」と反問した。従来の強硬姿勢とは異なり、イランのミサイル保有を一部容認する可能性を示唆したと解釈される。
また、トランプ大統領はイランのミサイル除去が軍事作戦の目標だったという取材陣の質問にも「彼らが何を持っているか。今は他の国より少ない」とし、「我々はすでに約85%を除去した」と主張した。そして「気に入らなければ再び爆撃できる」とし、イランを圧迫した。
今回の発言はトランプ大統領自身の過去の立場とも矛盾する。彼は政権1期目の際、オバマ元大統領が締結した2015年のイラン核合意を強く批判した。当時の合意がイランのミサイルプログラムを適切に扱っていない点を問題視していた。
トランプ大統領は2018年、イラン核合意から離脱した。その後「最大限の圧力」政策を掲げ、イランの核開発だけでなく弾道ミサイルプログラム、中東における軍事的影響力まで制限すべきだと主張した。
米国のマルコ・ルビオ国務長官も最近までイランのミサイル能力を核心的脅威として指摘していた。ルビオ長官はイランが交渉でミサイル問題を除外しようとする態度を「大きな問題」と批判し、イランの武器が米国と米国民を攻撃するために設計されたと主張した。
しかしトランプ大統領は、今回の交渉局面でミサイルの全面廃棄より現実的な管理に重点を置いた。保守陣営では「オバマ元大統領の合意より何が良いのか」という反発が出るのも無理はない。
波紋はミサイル問題にとどまらない。ロイター通信は米国とイランが推進する平和構想にイランの復興と経済発展のため、3,000億ドル(約48兆1,700億円)規模の資金が含まれていると伝えた。この構想は中東の緊張を緩和し、60日間の追加交渉を進める暫定的な枠組みとして知られている。ここには敵対行為の中止、ホルムズ海峡の海上交通の正常化、制裁緩和、イラン国内の核物質処理方法などが含まれていると伝えられている。
米トランプ政権は復興基金が米政府の予算を直接投入する方式ではないと線を引いた。しかし批判論者らは、イランに過度に大きな経済的報酬を提供するのではないかと反発している。トランプ大統領は終戦MOUの署名にも強硬な態度を完全には崩していない。彼は合意が気に入らなければ「再び爆撃できる」とし、イランを牽制した。
主要7か国(G7)首脳はイランとの緊張緩和を歓迎しつつも、今後の交渉でイランの弾道ミサイルプログラムと地域における影響力の問題を扱うべきだという立場を示した。ただし、イランがミサイル問題を核心的な交渉議題として受け入れるかは不透明だ。
米国内の論争はさらに激化する見込みだ。トランプ大統領は戦争拡大を防ぐための現実的な選択だと主張しているが、強硬派はこれを対イラン圧迫路線の後退と見ている。終戦MOUの署名後もイランのミサイルを巡る一言が新たな平和構想の最も熱い争点として残った。













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