
イスラエル軍と親イラン武装組織ヒズボラの武力衝突が再び激化し、米国とイランの停戦合意や今後の協議に影響を与える懸念が強まっている。
今回の衝突では、ヒズボラの攻撃によってレバノン南部に展開していたイスラエル軍に複数の死傷者が出ており、イスラエルによる大規模な報復攻撃に発展する可能性も指摘されている。
イスラエル軍は19日(現地時間)、レバノン南部でヒズボラの攻撃を受け、第401機甲旅団第52大隊のドール・ゲダリア・ベン・シムホン中佐と、同じ戦車に乗っていた乗員3人が死亡したと発表した。
イスラエル軍によると、レバノン南部クファル・テブニットで、ヒズボラの無人機、もしくは対戦車ミサイルとみられる攻撃がベン・シムホン中佐の戦車に直撃したという。
さらに数時間後には、同じ村でヒズボラによる自爆型ドローン攻撃があり、特殊部隊所属の予備役将校1人が重傷を負ったほか、予備役下士官や兵士ら4人も軽傷を負った。
一方、イスラエル軍は、米国とイランが停戦に関する了解覚書に署名した翌日の18日夜から、レバノン南部にあるヒズボラの拠点に対し大規模な空爆を実施した。
レバノン国営通信(NNA)によると、この空爆で少なくとも16人が死亡した。
イスラエル軍は19日、レバノン東部ベカー渓谷にあるヒズボラの関連施設も攻撃したと発表した。
イスラエル側は、一連の空爆について、イランの支援を受けるヒズボラが停戦合意に繰り返し違反していることへの対応だと説明している。
今回、ヒズボラの攻撃によってイスラエル軍側に大きな人的被害が出たことから、イスラエルが大規模な報復に踏み切る可能性が高まっており、米国とイランによる停戦合意や今後の協議にも影響が及ぶ可能性がある。
イスラエルとヒズボラの武力衝突は、米国とイランの停戦合意やその後の協議を左右する最大の懸念材料とみられている。
イランは、了解覚書に盛り込まれた「レバノンの領土保全と主権の保障」を根拠に、イスラエル軍のレバノン南部からの撤退を求めている。一方で、イスラエルが撤退を拒否していることは、了解覚書を無効にする行為に当たるとも主張している。
これに対しイスラエルは、ヒズボラによる安全保障上の脅威が完全に排除されるまで、レバノン南部への駐留と軍事作戦を継続する方針を示している。
実際、イスラエルとヒズボラの武力衝突が続く中、19日にスイスで予定されていた米国とイランによる初の実務者協議は中止となった。
こうした中、イスラエル連立政権の代表的な強硬派であるイタマル・ベン・グビール国家安全保障相は、自国兵士の戦死が発表された直後、「米国には申し訳ないが、イスラエルは兵士たちが流した血と国民の安全が決して交渉の対象ではないことを世界に示さなければならない」とし、「レバノン全土が燃えなければならない」と述べた。













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