
でこぼこのハート型果物が中国と台湾、つまり両岸の新たな対立要因として浮上していると、英BBCが報じた。問題になっている果物は「アテモヤ」だ。粗くでこぼこした緑色の皮の中にクリームのように柔らかい白い果肉が特徴で、甘味と酸味が調和している。仏陀の頭の形に似ていることから「釈迦頭」とも呼ばれる「シュガーアップル」と似ているが、もう少し小さい「チェリモヤ」の交配種がアテモヤだ。
アテモヤは台湾の台東県をはじめ、台湾各地で多く栽培されている。台湾産アテモヤの主要な輸入国である中国は今月初め、アテモヤの購入量を増やすと伝えた。台湾を対面する中国福建省廈門市で開催されたフォーラムで、中国の業者が台湾の農家にアテモヤの購入拡大を約束したのだ。しかし、台湾農業部は台湾の農家にこのような動きに注意するよう呼びかけた。

中国当局が他国の農家に対して注文を増やし、中国の需要に依存させた後、突然注文をキャンセルする形でその農家を揺さぶるという警告だ。いわゆる中国の「育成→捕獲→抹殺(raise→trap→kill)」方式の典型的な事例だという説明だ。
業界と専門家は、中国が台湾を圧迫するため軍事手段以外にも様々な非軍事的な戦術を活用しており、その中の一つが果物だと指摘している。2021年、中国は台湾産パイナップルの輸入を禁止し、農家の生計に大きな打撃を与えた。当時、台湾では「中国の経済的な圧迫戦術」という認識が広まり、台湾産パイナップルの消費運動が起こったこともあった。
今回もアテモヤに同じことが起こっているのではないかという疑念が広がっている。台湾農業部は報道資料を通じて「中国はまず善意を示し、大量注文を行い農家がアテモヤを栽培するよう促す」とし、「その後、何の事前警告もなく一方的に輸出制限措置を課す」と明らかにした。
農業部によると、2021年に中国は害虫問題を理由にアテモヤの輸入を突然中止し、2023年には部分的に輸入を再開したという。さらに2024年には、アテモヤに関税を課した。

台湾農業部は中国のこれらの措置が「業界に巨大な不安定をもたらし、農家に大きな危険をもたらす」と強調した。また、中国も本土でアテモヤの栽培を拡大しており、台湾の農家に脅威になっていると付け加えた。中国の業者によるアテモヤの注文拡大提案は、台湾産水産物やお茶など台湾産製品の購入を増やすという大きな計画の一環だった。
台湾政府が公式に廈門市フォーラムへの参加禁止措置を出したが、台湾の財界人や野党の政治家がそのフォーラムに出席した。台湾行政院傘下の大陸委員会の報道官は、出席した公職者は監察を受ける可能性があると警告した。台湾農業部は声明で、当局が持続可能な農業の発展と農家の安定した所得に重点を置き、冷凍果物製品、ピューレ、ワインの生産を含むアテモヤ産業の多角化方向を引き続き模索すると明らかにした。
一方、野党の国民党所属の議員は台湾農業部の発表に対して「アテモヤ産業を政治化しようとする試みだ」と反発し、こうした措置が最終的に台湾の農家に被害を与える可能性があると指摘した。国民党所属であり、蒋介石氏の曾孫である台北市の蒋万安市長は「大陸委員会がこれを口実に台湾の農家を苦しめ、抑圧する」と主張した。彼はアテモヤが「果物界のTSMCだ」とし、「世界のどの国も台湾のアテモヤほど美味しくて特別な果物を生産できない」と述べた。

















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