中国、海上で戦略核打撃能力を示す
米国メディア「中国の米国への事前通告、確認できず」
米国政界「中国共産党による攻撃行為だ」

中国人民解放軍の原子力潜水艦1隻が6日午後、太平洋の公海に向けて潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射に成功したことを受け、インド太平洋地域の米国の同盟国が一斉に懸念を表明した。台湾海峡や東シナ海を含むインド太平洋地域で、中国が原子力潜水艦から発射するSLBMによって戦略核打撃能力を公に示したのは、今回が初めてとみられる。中国人民解放軍は今回の発射について、「国際法と国際慣行を順守して実施した」とした。これに対し、米国の同盟国は中国の急速な軍備増強への警戒感を示した。日本とオーストラリアは多国間安全保障の枠組み「クアッド(Quad)」の参加国であり、オーストラリアとニュージーランドは西側5か国の情報同盟「ファイブ・アイズ(Five Eyes)」の一員でもある。
今回の発射は、米国ハワイ州で韓国など30か国の海軍部隊が参加する環太平洋合同演習(RIMPAC)が行われている最中に実施された。政府は発射計画の通告を受けた後、中国側に再考を強く求めたが、中国側は応じなかった。オーストラリアのペニー・ウォン外相は「地域の安定を損なう行為は誤算につながり、我々が望まない結果を招きかねない」と警告している。その上で、今回の発射は「意図に関する透明性や地域に安心を与える措置を欠き、中国が急速に軍備を増強する中で行われた」と指摘した。ニュージーランドのウィンストン・ピーターズ外相も「地域の安定と両立しない」とする非難声明を発表している。
中国は2024年に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を試験発射した際、米国に事前通告していた。米紙ワシントン・ポスト(WP)は6日、「中国政府が今回も米国に事前通告したかどうかは現時点で確認できなかった」と報じている。米下院の「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会」(委員長=米国のジョン・ムーレナー共和党下院議員)は、「中国の長距離ミサイル発射は日常的な訓練ではなく、インド太平洋地域の我々の同盟国・パートナー国に向けた中国共産党(CCP)の新たな攻撃行為だ」との認識を示した。さらに「中国が2030年までに核弾頭1,000発の保有を目指して急いでいる中、中国への抑止を支え、同盟国・パートナー国が自らを守れるようにする防衛産業基盤を整備する必要がある」と訴えた。
米国のエド・マーキー民主党上院議員は「今回の試験は、米国のドナルド・トランプ大統領が中国・ロシアと交渉し、核の脅威を減らすべきだという警鐘だ」と指摘した。さらに「現在、核兵器を制限する国際条約は一つもなく、爆弾の時計は刻々と時を刻んでいる」と述べた。アジア・ソサエティ政策研究所(ASPI)のライル・モリス上級研究員は「中国の核抑止力がもはや陸上に限定されないことを示した」と分析している。今回の発射については「日本やオーストラリアのような米国の同盟国・パートナー国に向けたメッセージだった」との見方を示した。同研究所のエマ・チャンレット=エイブリー政治・安全保障担当ディレクターは、昨年、台湾を巡って高市早苗首相が行った発言を機に悪化した日中関係が、さらに深刻化するとの見通しを示した。「習近平国家主席は米国の同盟国に対し、中国がアジアの『支配的な強国(dominant power)』であるという明確なメッセージを送っている」と述べた。














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