
テスラが主要市場で電気自動車の販売不振に陥る中、経営中枢の人材流出が加速している。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は15日(現地時間)、北米地域の販売・サービス・配送を統括してきた副社長トロイ・ジョーンズが15年勤続の末に退職したと報じた。
今回の退社は、イーロン・マスクCEOの側近で北米・欧州の販売・製造を率いたオミッド・アフシャルと、北米担当ディレクターのジェナ・ペルアが先月末に離れた直後に重なり、上層部の「ドミノ離脱」を裏付けるものになった。
年初にもAI部門を率いたミラン・コバク副社長が去り、マスクが掲げるロボット・AI企業への転換の要であるヒューマノイドロボット「オプティマス」の開発チームが空洞化した経緯がある。
テスラは新型車不足、激化する価格競争、とりわけ中国市場での苦戦に加え、欧州でのマスクの右派的発言への反発が重なり、販売が失速している。
今年第2四半期の世界EV納入台数は前年同期比13.5%減となり、第1四半期の純利益は71%急減した。
それでも経営陣は販売減と利益率低下への懸念を退け、自動運転ソフト「フルセルフドライビング」とヒューマノイドロボット「オプティマス」への投資こそ成長エンジンだと強調する。
先月にはテキサス州オースティンの一部エリアで自動運転モデルYを使ったロボタクシーの試験サービスを開始し、SNSインフルエンサーら限定ユーザーを対象にアプリ経由の配車を行っている。
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