
米航空機大手ボーイングが昨年、民間航空機の受注で7年ぶりに欧州の競合エアバスを上回った。トランプ政権による通商交渉が、ボーイングの受注を引き上げた主な要因とみられる。
日本経済新聞の報道によると、ボーイングの2025年の年間純受注は1,075機で、エアバス(889機)を2018年以来初めて上回った。ケリー・オートバーグ最高経営責任者(CEO)は業績説明会で、「社史上最高水準の受注だ」と述べた。
ボーイングの受注急増の背景には、トランプ政権による通商圧力がある。トランプ氏は米国の貿易赤字解消に向け、各国に米国製品の購入を要求。ボーイング機は液化天然ガス(LNG)や農産物とともに、米国の主要な輸出品目として活用された。日本をはじめ韓国、欧州などが相次いで購入の意向を表明したほか、トランプ氏の昨年5月の中東訪問時にはオートバーグ氏が同行し、カタールから最大210機を受注する場面もあった。
航空機は引き渡し時点で売上が発生する構造であり、発注時に代金の全額支払いが必要ない点も、各国の発注を後押しした格好だ。現在、ボーイングの受注残は6,100機以上で、ヘスス・マラベ最高財務責任者(CFO)は「今後10年分の受注を確保した」と語った。
生産の正常化も進みつつある。ボーイングは2018〜19年の「737MAX」墜落事故や、2024年の飛行中における胴体ドア脱落事故などで数年間の不振を経験してきた。連邦航空局(FAA)が設定した737の月間生産上限は、昨年10月の38機から42機に引き上げられた。2025年の引き渡し機数は600機と、2018年以来の最高を記録した。オートバーグ氏は「完全な回復には至っていないが、市場が期待するボーイングの姿に戻りつつある」との認識を示した。
一方、エアバスはエンジン供給の遅れという悪材料に直面している。RTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)傘下のプラット・アンド・ホイットニー(P&W)製エンジンの部品に亀裂の可能性が指摘され、供給不足が続いているとのことだ。エアバスのギヨーム・フォーリCEOは、今年予定していた小型機「A320」の月間75機生産目標を公式に撤回した。エンジン問題に加え、昨年11月には別の品質問題が追加で発生するなど、苦境が続いている。エアバスの先月の引き渡し機数は19機にとどまり、ボーイング(46機)の半分にも届かなかった。













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