
「なぜ日本と韓国から始めるのか。トランプ大統領は日本と韓国に苛立っているのか」
7日(現地時間)、ホワイトハウスの記者団はこう問いただした。
ドナルド・トランプ米大統領は相互関税猶予期間に貿易合意へ達しなかった国々へ書簡を送ると宣言してきたが、その第一弾として名指ししたのが日本だ。7日の正午過ぎ、ホワイトハウスは日本宛ての書簡を最優先で公表し、数分遅れで韓国向け書簡を続けて公開した。
日本への通告は明確だった。「長年にわたり日米間に存在する不均衡を是正する」と強調しつつ、既存の24%関税を25%へ1ポイント引き上げて8月1日から適用すると宣言した。トランプ大統領は「互恵性が欠如している」と断じ、日本の関税および非関税障壁が長期的な貿易赤字を招いたと非難した。
韓国向け書簡の骨子もほぼ同じだが、4月に発表した25%をそのまま維持すると明示した。日本が引き上げられたことで、両国の追加関税率は同水準となった。
記者会見で質問を受けたキャロライン・レビット報道官は短く笑みを浮かべたのち「それは大統領の特権だ」とだけ述べ、選定理由を深掘りしなかった。大統領が最終判断し、文面まで直接チェックしたことを示唆する発言だ。
書簡の公開以外にトランプ大統領は韓日双方への追加コメントを控えている。ただしレビット報道官は「約12の国が今後、大統領から直接通知と書簡を受け取る予定だ」と明言し、関税攻勢がさらなる拡大フェーズへ入ることを示した。
東京市場では鉄鋼や自動車株を中心に警戒感が強まり、為替も一時的に円高へ振れた。ワシントンの外交筋は「トランプ大統領が再選戦略として国内産業保護を全面に掲げ、日本を含む同盟国にも圧力を強めている」と分析した。
日本政府関係者は「書簡の内容を精査中だ」と語り、具体的な対抗措置には言及しなかった。韓国政府も同様の姿勢を示している。国際通商の専門家は、今回の25%という数字は交渉上の天井に過ぎず、両国の譲歩幅によって最終税率が変動する可能性があると指摘した。
通商ルールを巡る駆け引きは数週間以内に本格化する見通しだ。ホワイトハウス発の関税ショックが世界経済に波紋を広げるカウントダウンが始まった。
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