イスラエルがガザ地区中部へ地上戦の前線を拡大した。
イスラエル軍は20日(現地時間)、ガザ地区中部の都市デイル・アル=バラフに住む一般住民および避難民に対し、同地区から南部海岸のアル=マワシ地区への即時避難を命じた。
この避難命令は戦争開始以来初めて中部全域に拡大されたもので、同市内には複数の国際援助団体の事務所も所在している。

同日、北部ガザ地区では救援物資を受け取るため集まった住民少なくとも79人がイスラエル軍の発砲で死亡し、ガザ保健省によると、救援を待つ間に亡くなったパレスチナ人は計85人に上ったと報告された。「救援物資を求める住民にとって、戦争開始以降最悪の日となった」と保健省は声明を発表している。
一方、軍事作戦の拡大を受け、人質の家族らはイスラエル政府に対し、作戦計画の詳細と人質保護策の説明を改めて要求した。イスラエル軍は同日、北部ジャバリヤでの作戦拡大を発表し、地下トンネルの破壊やハマス戦闘員数十人の殺害を報告している。
戦況については参謀総長エヤル・ザミール氏が前線を視察後、「ハマスへの攻撃をさらに強化しつつ、自軍の損失を抑える新作戦を導入する」と述べた。AP通信は、紛争が22か月目を迎え、ガザ地区の累計死者数が5万8,700人を超えたと伝えている。
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