フランスのラシダ・ダティ文化相(59)とルノー・日産自動車元会長カルロス・ゴーン(71)氏が、汚職などの疑いで刑事裁判にかけられる見通しとなった。
ニューシスの報道によると、パリの予審判事は22日(現地時間)、ダティ文化相とゴーン氏を汚職および職権乱用の容疑で刑事裁判に付すよう命じたとAFP通信が伝えた。

来年のパリ市長選への出馬を目指すダティ文化相は、欧州議会議員在任中にルノー・日産連合のためにロビー活動を行った疑いがかけられており、本人はこの疑惑を否定している。
ダティ文化相は、弁護士兼欧州議会議員であった2010年から2012年にかけて、ルノー・日産アライアンスのオランダ子会社「RNBV」から、実際の業務を行うことなく90万ユーロ(約1億5,500万円)を報酬名目で受け取った疑いがある。
この事件を最初に捜査したフランス国家財政検察局(PNF)は、ダティ文化相が欧州議会におけるロビー活動のお返しとしてこの金銭を受け取ったとみている。フランスの捜査当局は、ゴーン元会長にも出廷を求めていると明らかにした。
日本で保釈中にレバノンへ逃亡したゴーン氏は、自身に対する容疑を全面的に否定している。
ゴーン氏には、贈賄や経営者権限の乱用、背任などの容疑がかけられている。
ゴーン氏は、2011年から2015年の有価証券報告書において自身の報酬を過少申告し、日産の投資資金や経費を私的に流用した疑いなどで、2018年11月に日本の検察に逮捕・起訴された後、保釈と再逮捕を繰り返した。2019年12月末、保釈中に日本の裁判所の許可を得ずにレバノンへ逃亡した。 さらにゴーン氏は、2016年にパリ近郊のベルサイユ宮殿で豪華絢爛な結婚式を挙げた際、ルノーの資金を私的に流用した疑いや、フランス国内の資産を過少申告・未申告にしていたとされ、別件でもフランス当局の捜査対象となっている。
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