
米ニューヨーク市長選を翌日に控えた3日、ドナルド・トランプ米大統領は、民主党候補が当選した場合、連邦資金の支援をほとんど停止する考えを示した。選挙を目前に、ニューヨークの有権者に対して事実上の圧力とも取れる発言を行った形となっている。
報道によると、トランプ米大統領は同日、自身のSNS『トゥルース・ソーシャル』に「共産主義者の候補ゾーラン・マムダニがニューヨーク市長選で勝利すれば、私の愛する故郷であるこの街への連邦資金支援は最小限にとどまる可能性が高い」と投稿している。
さらに「この偉大な都市が共産主義体制のもとで成功したり、生き残ったりすることはあり得ない」と記している。
トランプ米大統領は以前からマムダニ候補を「共産主義者」と非難し、連邦政府の財政支援を絞ると主張していたが、選挙直前になってもその攻勢を緩める様子は見られない。
トランプ米大統領はさらに、「共産主義者が首長になれば、状況はさらに悪化するだけだ。大統領として悪い状況に税金を無駄遣いするつもりはない。これは国家を運営する上での私の責務でもある。マムダニが勝利すれば、ニューヨークは経済的にも社会的にも完全に崩壊するだろうという強い確信がある」と投稿している。
マムダニ候補のライバルは、共和党のカーティス・スリワ候補と無所属のアンドリュー・クオモ候補となっている。トランプ米大統領は、自党のスリワ候補ではなく、民主党出身のクオモ候補に投票するよう支持者に呼びかけるという異例の姿勢を見せている。
トランプ米大統領は「彼(マムダニ)の掲げる原則は千年のあいだ試されてきたが、一度も成功したことがない。経験も実績もなく、完全な失敗の記録しかない共産主義者よりも、成功の実績を持つ民主党員が勝つ方が望ましい」と述べている。
さらに「カーティス・スリワに投票することは、マムダニに投票するのと同じだということを忘れてはならない。クオモを好きでも嫌いでも、選択肢は一つしかない。彼に投票し、良い結果を出してくれることを願うしかない」と強調している。
クオモ候補は民主党出身で、かつてニューヨーク州知事を務めていた。新型コロナウイルス感染拡大時には、厳格な防疫政策と連日の記者会見で高い評価を得たが、後に性的スキャンダルが発覚し、イメージに大きな打撃を受けた形となった。最終的に民主党予備選でマムダニ候補に敗れ、無所属での出馬に踏み切っている。
一方、マムダニ候補は1991年生まれのニューヨーク州下院議員であり、自らを「民主社会主義者」と称し、ニューヨーク市長選で旋風を巻き起こしている。
インド系ウガンダ人の彼は2018年に米国に帰化し、2021年に政界入りした事実上の新人政治家となっている。しかし、アパート家賃の上昇抑制や富裕層への課税、最低賃金の引き上げ、無償保育の拡充などを掲げ、急速に支持を広げている。当選すれば、ニューヨーク史上初のイスラム教徒市長となる。
『ニューヨーク・タイムズ』(NYT)によると、米世論調査会社アトラスインテルが先月31日から今月2日にかけて、有権者2404人を対象に行った調査では、マムダニ候補を「支持する」と答えた人が44%で最多となった。クオモ候補は39%、スリワ候補は16%だった。

















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