
ロシア政府は、ウクライナが米国と協議している終戦案の内容が、ロシアと米国の間で進められている協議内容とは根本的に異なるとの認識を示した。
「タス通信」などの報道によれば、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は週末にトランプ大統領と会談し、終戦案を取りまとめる予定とされるが、今後の交渉は難航が予想されている。
26日、「タス通信」の報道によれば、セルゲイ・リャプコフ外務次官は国営放送「ロシア1」に出演し、米露両国はウクライナ戦争解決に向けた重要な局面に近づいており、25日は分水嶺として記憶される可能性があるとの認識を示した。リャプコフ次官は、相手側の政治的意思によって最終的な和解に至るかどうかが決まると述べ、ウクライナと欧州諸国が和解を妨げていると批判した。その上で、ウクライナが米国と協議している内容は、米露間で議論されている内容とは根本的に異なると指摘している。
リャプコフ次官は、米国がアラスカ州アンカレッジで設定された枠組みを、守るべき方向性であり具体化すべき基盤だと認識していると説明し、事実上これを受け入れたとの見方を示した。さらに、ウクライナの20項目から成る終戦計画は、今月初めからロシアが米国と接触しながら作業してきた27項目にわたる案とは本質的に異なり、計画と呼べるかどうか疑問だと述べた。
また、フロリダでの協議結果を精査する必要があるとしつつ、アンカレッジで設定された枠組みの範囲内にとどまる政治的意思が不可欠だと強調し、この境界を越えれば和解自体が不可能になるとの認識を示した。終戦和解の期限設定については不適切だと述べ、日程よりも本質的な内容に集中すべきだとの立場を示している。人為的な枠組みや締め切りは、実務的な交渉に寄与しないとの認識を示した。
アンカレッジ枠組みは、昨年8月にプーチン大統領とトランプ大統領の会談で議論された内容を指す。プーチン大統領は当時、ドネツク全域からのウクライナ軍撤退や、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟の恒久的禁止などを要求したとされる。
クレムリンは、ロシア代表団の米国訪問後も協議が継続していることを明らかにした。ドミトリー・ペスコフ報道官は、プーチン大統領の指示に基づき、ロシア政府と米国政府の代表間で接触が行われたと説明した。ロシア側代表はユーリー・ウシャコフ大統領補佐官が務め、米国側には複数の対話相手がいたと述べた。具体的な内容には触れず、対話継続で一致したとのみ説明している。
キリル・ドミトリエフ大統領特使率いるロシア代表団は、先月20日から21日にかけて、米国フロリダ州マイアミでスティーブ・ウィトコフ米ホワイトハウス特使や、クシュナー氏らと終戦案を協議した。一方、ゼレンスキー大統領は28日にフロリダでトランプ大統領と会談する予定だと明らかにした。ゼレンスキー大統領は、20項目の終戦計画のうち90%が完了したとし、残る課題を含めて計画を完成させる考えを示している。















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