
ドナルド・トランプ米政権は、ベネズエラでの軍事作戦後、次の標的としてデンマーク領グリーンランドに繰り返し言及しており、国際社会の緊張が高まっている。これに関連し、マルコ・ルビオ国務長官は、デンマークからグリーンランドを「買収」することが米政府の目標であると連邦議会に伝えたと、「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」など複数の米メディアが6日(現地時間)に報じた。
報道によると、ルビオ長官は5日、上下両院の軍事委員会および外交委員会所属の議員らに対し、今後のベネズエラ政策を説明する非公開ブリーフィングを行った。その際、米政府によるグリーンランドへの強硬な発言は、軍事侵攻が差し迫っていることを示唆するものではないと明らかにした。むしろデンマークを交渉の場に引き出すための修辞であり、政府の真の目標は、デンマークからのグリーンランド「購入」にあると説明した。
このブリーフィングは本来ベネズエラ情勢に焦点を当てたものであったが、トランプ政権が最近、軍事作戦の可能性を含む威嚇的な言及を相次いで行っていたことから、議員の間では政権の真意を巡る懸念が広がっていた。
トランプ政権はベネズエラでの電撃的な作戦後、次の対象としてグリーンランドを繰り返し挙げており、領有への意欲を鮮明にしている。ホワイトハウスは6日の声明で、「グリーンランドの取得は米国の国家安全保障における最優先課題」であると断言。トランプ大統領はこの目標達成のため、軍事力の行使を含む「あらゆる選択肢」を検討していると述べた。
トランプ大統領がグリーンランドに執着する背景には、北極圏の覇権掌握と対中資源競争という国家安全保障戦略があると分析されている。
グリーンランドは北米大陸と欧州、ロシアを結ぶ最短ルートである北極圏に位置し、地政学的な要衝とされる。同島には既に米国の「ピツフィク宇宙軍基地(旧チューレ空軍基地)」が存在し、ロシアからのミサイル監視を担っている。米国がグリーンランドの主権を確保すれば、大西洋と北極海を往来する船舶や軍事活動を監視・制御する強力な前哨基地を手にする。
さらに、気候変動による北極圏の氷の融解に伴い、輸送時間を大幅に短縮できる新たな航路の開拓も期待されている。
加えて、グリーンランドには、バッテリーやスマートフォン、電気自動車などの先端製品に不可欠な希土類(レアアース)が大量に埋蔵されている。現在、レアアース市場を中国が独占している現状を鑑みれば、米国にとってグリーンランドの確保は、サプライチェーンの安定化に直結する。
既に北極圏では、軍事的・商業的主導権を巡る激しい競争が展開されている。ロシアはウクライナ侵攻後、北極圏の基地を再稼働させて軍事的優位の確立を狙い、中国は自国を「近北極国家」と位置付け、資源と航路の確保に注力している。最近では、中国が北極探検や航路開拓で成果を上げていることも、米国の警戒心を強める要因となっている。















コメント0