
ドナルド・トランプ米大統領は2日(現地時間)に公開されたポッドキャスト出演で、米国の選挙制度を「国家化(nationalize)」すべきだと主張した。州ごとに運用されてきた投票・開票の仕組みを、連邦政府の統制下に置くべきだという趣旨になる。先月末のテキサス州の補欠選挙で共和党が大敗するなど、近時の選挙戦で不振が続く中での発言だけに、唐突だとの受け止めも広がっている。
ニューヨーク・タイムズなどによると、トランプ大統領はこの日、保守系インフルエンサーのダン・ボンジーノ氏の番組「The Dan Bongino Show」に電話で出演し、選挙の国家化を強調した。共和党は投票を掌握すべきだと言う必要があり、少なくとも「15州」の投票を掌握しなければならないとも述べたが、対象とする州は具体的に明かさなかった。
米国では憲法の枠組みに基づき、選挙制度は主に州法で定められ、全土の投票所では郡や市の職員が運営を担ってきた。トランプ大統領の主張は、こうした州主導の管理を連邦が直接コントロールする方向へ転換させる考え方と受け止められている。
トランプ大統領はこの日も、ジョー・バイデン前大統領に敗れた2020年大統領選について、自身が勝利したという主張を繰り返した。「私が勝った州で、勝っていないことになっている」と述べ、投開票の透明性に疑義があるという従来の論法を改めて持ち出した。
先週には、連邦捜査局(FBI)の捜査官が、ジョージア州のフルトン郡にある選挙関連施設で、2020年当時の投票用紙など記録類を押収したとも報じられた。同郡は、トランプ大統領の側近らが不正があったと繰り返し主張してきた地域でもある。ホワイトハウスのアビゲイル・ジャクソン報道官は、トランプ大統領の発言に関連し、大統領は選挙の安全性とセキュリティを極めて重視しているとの立場を示した。
トランプ大統領は近ごろ、選挙手続きへの連邦関与を強めようとしてきた。米司法省がミネソタ州など複数の州に対し、全有権者名簿の提出を求めた例もある。昨年8月には、郵便投票や投票機の使用をやめたいとの意向にも触れていた。自身のSNSトゥルース・ソーシャルでは、州は投票集計と整理における連邦政府の「代理人」に過ぎないとし、大統領が国益のために指示することに従うべきだとも書き込んだ。
注目されるのは、こうした発言が出たタイミングだ。NYTは、トランプ大統領の選挙を巡る発言が先鋭化した時期が、民主党が一連の選挙で共和党を上回っている状況と重なっていると指摘する。昨年11月のニューヨーク市長選やニュージャージー州、バージニア州の知事選で民主党が勝利を重ねたのに続き、先月31日にはテキサス州の州議会上院補欠選挙で民主党候補が大差で勝った。2024年大統領選ではトランプ大統領が17ポイント差で制していた選挙区だったが、今回は民主党が14ポイント差をつけたという。
トランプ大統領が出演した番組はボンジーノ氏の「復帰回」でもあった。強硬右派として知られるボンジーノ氏は、トランプ政権2期目でFBI副長官に起用されたが、ジェフリー・エプスタインの関連資料公開を巡って陰謀論をあおったとして、先月辞任したとされる。ボンジーノ氏は、当局が「自殺」と結論づけた経緯に疑問を呈し、殺害説を繰り返してきた。トランプ大統領は、ボンジーノ氏がFBIを去ったのは残念だったが、番組再開を喜ばしく思うとも語った。













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