
イタリア出身の現代美術家マウリツィオ・カテラン氏の代表作に使われた「バナナ」が、またしても姿を消した。博物館側は警察に通報したのち、ただちに新しいバナナへ交換し、展示を再開している。
米ニューヨーク・ポストなどは1日、フランスのポンピドゥー・センター・メスで展示中だったカテラン氏の作品「コメディアン」に使われていたバナナ1本が、盗まれたと報じた。博物館の警備員は、壁に貼り付けられているはずのバナナが消えていることを、先月30日に発見した。博物館側はただちに警察へ通報し、刑事告訴に踏み切った。
この作品は、灰色の粘着テープで壁にバナナを1本貼り付けただけの構成だ。しかし、その価格は620万ドル(約9億9,300万円)に上る。
盗難被害の復旧は、いたって簡単だった。新しいバナナに貼り替えるだけで済むためだ。博物館の関係者は「作品に取り返しのつかない損傷は生じていない」と説明した。
この作品は、2019年12月に米フロリダ州マイアミビーチで開催されたアートフェア「アート・バーゼル」で初めて披露された際、12万ドル(約1,922万3,900円)で取引され、大きな話題を呼んだ。そのバナナは、カテラン氏がニューヨーク市内の果物店で、わずか35セント(約56円)で買い求めたものだった。
この「バナナの傑作」の価格は、その後も天井知らずに高騰していった。2024年のサザビーズによるオークションでは、中国系の暗号資産起業家ジャスティン・サン氏が620万ドルでこの作品を落札した。さらに香港で開かれた記者会見の場でバナナを食べてしまうパフォーマンスを披露し、世界中で話題を呼んだ。
カテラン氏は昨年5月、ポンピドゥー・センター・メスにバナナを新たに設置したが、わずか2か月後の7月、ある来場者がそのバナナを丸ごと食べてしまう騒動も起きていた。














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