
米司法省が先月末に追加公開した性犯罪者ジェフリー・エプスタイン関連文書が、欧州政界にも波紋を広げている。エプスタインと親しい人物を駐米英国大使に起用し批判を浴びたキア・スターマー英首相は8日(現地時間)、首相官邸のトップが辞任した後も、自身の進退を問う圧力にさらされている。フランスとノルウェーでも、今回の文書公開を受けて関係が取り沙汰された人物が職を離れた。
報道によると、スターマー首相の首席補佐官を務めるモーガン・マクスウィーニー氏はこの日、ピーター・マンデルソン前産業相を駐米英国大使に任命する過程に関わったとして、自ら辞任を表明した。声明では、マンデルソン氏を2024年に大使へ起用した判断は誤りだったと認め、与党と国家、ひいては政治そのものへの信頼を損ねたと説明した。人事の検討を求められた際に首相へ任命を進言したのは自分であり、その責任を負うとも述べている。
マンデルソン氏は72歳。与党・労働党の代表的な戦略家として、トニー・ブレア元首相とともに新労働党路線を築いた人物とされる。政界の裏側で影響力を持つ存在として、闇の王子と呼ばれることもあった。
追加公開文書では、マンデルソン氏が2008年に産業相だった当時、エプスタインに内部情報を流したとされる。スターマー首相は昨年9月、マンデルソン氏がエプスタインに早期釈放に関する助言を行うなど、性犯罪を擁護したと受け取られかねない行動が明るみに出たことを受け、駐米大使職から更迭していた。ただ、今回の追加文書で両者の関係がより緊密だった可能性が浮上し、人事の責任を問う声が再燃した形だ。
辞任に追い込まれたマクスウィーニー氏は、2024年総選挙で労働党の大勝を主導した立役者として知られ、スターマー首相の最側近でもある。それでも野党だけでなく与党内からも、エプスタインと近い人物を要職に据えた首相の判断に疑問があるとして、官邸トップの辞任だけでは足りず首相自身が責任を取るべきだという主張が強まっている。英メディアは、過去に首相が側近の更迭で危機をしのごうとしても、かえって本人の求心力低下を招いた例があるとして、今回も辞任だけで幕引きにならない可能性を指摘した。
余波は他国にも及んだ。フランスでは、公共研究機関アラブ世界研究所の理事長を務めるジャック・ラング元文化相が、エプスタインと資金面で関わった疑いが強まる中で辞任した。ノルウェーでも著名な外交官モナ・ユール氏が、エプスタインと複数回接触していたことが判明したとして、駐ヨルダン・イラク大使職を退いた。
















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