
近年、海軍力を急速に強化している中国だが、軍事専門家は米国に追いつくにはまだ時間が必要だと見ている。海軍は技術集約型の軍種であり、兵器の性能や数だけでなく、指揮官や乗組員の熟練度が戦闘力を左右するためだ。前世紀から世界の海を支配してきた米海軍は、艦艇の性能と人的能力の両面で依然として中国を圧倒している。中国側もこれを認識しており、空母などの主要戦力を運用する際、米空母打撃群との直接対決を極力避ける動きを見せている。
昨年6月、中国が大々的に宣伝した「デュアルキャリア(2隻の空母)」演習はその象徴的な例だ。当時、西太平洋には米海軍の「ニミッツ」と「ジョージ・ワシントン」の両空母打撃群が展開していた。「ニミッツ」が南シナ海に進入すると、中国の「山東」空母打撃群は1,000km以上の距離を保ちながら機動した。そして「ニミッツ」がマラッカ海峡を通過して中東へ向かった後、ようやくバシー海峡を経て西太平洋に進出した。「ジョージ・ワシントン」が任務に就いている間も、「山東」はすぐに南シナ海へ戻り、「遼寧」も母港に帰還するなど、米空母の不在時を狙って活動するパターンが繰り返されている。

こうした状況は今年も続いている。1月18日、米海軍の「エイブラハム・リンカーン」空母打撃群が中東へ向かうと、中国は即座に南シナ海で最新鋭の055型駆逐艦「遵義」を主役に据えた軍事演習を実施した。排水量13,000トン級の055型は、現在10隻が配備され、来年までにさらに6隻が追加される予定だ。中国側は、搭載された346B型AESAレーダーにより、ステルス機や低軌道衛星まで1,000km以上の距離で探知可能であり、「いかなる対艦兵器の突破も困難な無敵の盾」であると主張している。
これに対抗し、米国は1月21日、ロッキード・マーティンを通じて長距離対艦ミサイル「LRASM(AGM-158C)」の模擬交戦映像を公開した。注目すべきは、映像内の標的として055型「遵義」が登場している点だ。米国がハープーンの後継として開発した「LRASM」は、2025年末時点で約1,200発が配備されている。

「LRASM」はステルス性能に加え、AI複合誘導システムを搭載しているのが最大の特徴だ。通常はパッシブセンサーで標的を探知し、敵の電波妨害を逆利用して位置を特定する。その後、AIが最適な接近経路を自ら算出し、敵艦の弱点をピンポイントで攻撃する。射程は560km以上と推定され、中国の艦対空ミサイルの射程圏外からの攻撃が可能だ。
「無敵の盾」とされる055型であっても、海面近くを飛行する小型ステルス目標である「LRASM」を探知・迎撃するのは容易ではない。「LRASM」のAIは防御の死角を突き、同時攻撃時には一部を囮にするほど精巧だ。専門家の間では、4発以上が同時に接近すれば055型での防御は極めて困難との見方が出ている。中国が055型の性能を誇示しながらも、米空母打撃群との正面対決を避ける背景には、こうした「槍と盾」の決定的な格差があるといえる。













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