
中東で戦火が拡大し、イラン軍の抵抗と反撃が激化するなか、ドナルド・トランプ米大統領は複合的な圧力に直面している。国際原油価格の急騰と市場の不安で経済的負担が増大し、戦争の出口戦略も適切に機能していない様子だ。米国内で戦争反対を訴える声が高まり、中核支持層であるMAGA陣営でも立場の違いが明らかになっている。英国やスペインなど同盟国との関係にも微かな緊張が走り始めている。
米国・イスラエルと4日以上にわたり空爆の応酬を続けているイラン政府は、先端兵器はまだ使用していないとし、さらなる抵抗を続けると警告した。
■ 先端兵器は未投入、長期戦の意志を示すイラン
イラン国防省は3日(現地時間)、「国営イラン通信(IRNA)」を通じて、敵が宣言した戦争計画よりも長期間防衛することが可能であり、攻撃的な防衛を行う能力があると述べた。また、保有する先端兵器と装備を最初の数日間はまだ全て使用していないと強調した。
一方、同日、トランプ大統領はワシントンD.C.でドイツのメルツ首相と会談し、イランの海軍と空軍に加え、レーダーも無力化したと主張した。トランプ氏はこの日、ソーシャルメディアのトゥルース・ソーシャルで、米国が中・上級兵器を無制限に保有していると主張。これに対し、前日の「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」は、トマホークミサイルなど米国が保有する弾薬の備蓄量が急減しており、紛争が長引けばトランプ氏の選択肢が減る可能性があると報じている。
イランは2日夜から3日未明までミサイルや無人機(ドローン)などを動員し、サウジアラビアの米国大使館を攻撃するなど報復を続けた。イラン革命防衛隊(IRGC)は3日、新型ミサイルを動員してイスラエルに対して一斉攻撃を行い、宇宙軍がミサイルとドローンで占領地の心臓部を標的にするだろうと声明を出した。
揺れる金融市場もトランプ大統領への圧力となっている。この日のニューヨーク株式市場は序盤から2%以上下落した。原油価格は約7%急騰し、米国債価格もわずかに下落した。トランプ大統領は原油価格が一時的に上昇する可能性があるとして、あくまで一時的な現象であることを強調。米海軍が可能な限り早くホルムズ海峡を通過するタンカーの護衛を開始すると述べ、市場の安定化に乗り出した。
今年11月の中間選挙を控えたトランプ大統領にとって、原油価格の上昇は政権への大きなダメージとなる。インフレ懸念により米国債価格も下落傾向にある。国際通貨基金(IMF)はこの日、状況が非常に流動的であり、不確実な世界経済環境をさらに悪化させているとの見解を示した。
■ MAGAの分裂と同盟国の対立拡大
トランプ大統領の中核支持層であるMAGA陣営にも分裂の兆しが見えている。新孤立主義の傾向が強い彼らは、国際問題への介入に拒否感を示している。保守派コメンテーターのタッカー・カールソン氏は米軍の空爆直後の今月1日にテレビ番組に出演し、今回の作戦を嫌悪感を抱く邪悪なものだと批判した。ニュースキャスターのメーガン・ケリー氏も、自国政府の任務は自国を守ることであり、この戦争はイスラエルの戦争だと指摘した。
同盟国との対立も深刻化している。トランプ大統領は、スペインが米国のイラン攻撃において自国軍基地の使用を認めなかったことを受け、貿易の全面的な停止を指示した。スペイン側は、基地使用のために米国と締結した協定では国際法の枠内での作戦のみが認められていると反発している。
トランプ大統領は英国に対しても不満を露わにした。米国は2月28日、英国にチャゴス諸島のディエゴ・ガルシア基地の使用を要請したが、スターマー首相は国際法違反の恐れを理由にこれを一時拒否した。その後、1日に使用を許可したが、トランプ氏はスターマー首相の対応が遅れたことに対して非常に失望したと述べた。













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