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「イランに差し迫った脅威はなかった」MAGA内部から初の公然反旗、ケントNCTC長官が辞表

望月博樹 アクセス  

引用:AP通信
出典:聯合ニュース

米国家情報長官室(DNI)で対テロ分野を統括する高官が、米国がイランとの戦争に踏み切るだけの差し迫った脅威は存在しなかったと公然と訴え、波紋が広がっている。

辞表を提出した当人は、米国のドナルド・トランプ大統領の熱心な支持者として知られてきた人物で、いわゆるMAGA勢力の亀裂が表面化したとの見方も浮上している。

米国家情報長官室(DNI)傘下の国家テロ対策センター(NCTC)のジョー・ケントセンター長は17日(現地時間)、SNSのXで、熟慮の末に同日付で辞任すると明らかにし、良心に照らして現在進行中の対イラン戦争は支持できないと表明した。

そのうえで、イランは米国にとって差し迫った脅威ではなく、今回の戦争はイスラエルと米国内の強力なロビー団体の圧力によって始まったのは明白だと主張している。

トランプ大統領は先月28日、イスラエルと歩調を合わせてイランへの電撃空爆を開始し、イランによる対米攻撃が目前に迫っていたことを理由に挙げていた。これに対し、情報機関の高官が事実と異なると異議を唱え、辞任に踏み切った格好となった。

退役軍人のケントセンター長は、トランプ大統領の長年の支持者として知られる。トゥルシー・ギャバード国家情報長官の秘書室長代行を経て、昨年7月にNCTCトップへ起用された。

ケントセンター長はトランプ大統領宛ての書簡でも、今回の政権発足当初、イスラエルの高官や米メディアで影響力を持つ人物らが、トランプ大統領の米国第一主義を弱め、イランとの戦争をあおるため、好戦的な世論を広げる偽情報工作を展開したと訴えた。

さらに、そうした世論操作によって、イランが米国に即時の脅威を突きつけていると信じ込まされ、今攻撃すれば短期間で勝利できる明確な道筋があると思わされたが、それは虚偽だったと指摘した。

また、これはイスラエルが数千人の若者の命を奪ったイラク戦争という惨事に米国を引き込む際に使ったのと同じ手口だと批判し、同じ過ちを繰り返してはならないと呼びかけた。

加えて、私たちがイランで何をしているのか、誰のためにそうしているのかを考え直してほしいと求め、大胆な決断を下すべき時は今だと強調した。進路を変えて国のための新たな道を切り開くこともできる一方、このまま衰退と混乱へさらに深く沈むのを放置することもできると迫っている。

トランプ大統領が自ら任命した高官が、対イラン戦争に反旗を翻して辞任したのは、ケントセンター長が初めてとされる。機密情報を扱うDNI所属の高官で、しかもMAGA系とみられてきた人物が開戦の根拠を正面から否定したため、衝撃は一段と大きくなった。

MS NOWによると、ホワイトハウス当局者の一人は辞任の報に衝撃を受けたといい、別の当局者は他の政府高官の辞任に波及する可能性を懸念している。

トランプ大統領をはじめ、政権側から即座に反発と反論が相次いだ点も、今回の問題の敏感さを物語る。

トランプ大統領は同日の記者対応で、良い人物だと思っていたが、安全保障では非常に弱腰だったと述べたうえで、イランは明らかに脅威だったと反論し、あの時攻撃していなければ核兵器を手にしていたはずだと主張した。

ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官もSNSに長文の反論声明を投稿し、民主党と一部の進歩派メディアが繰り返してきた虚偽の主張と同じだと批判した。そのうえで、差し迫った脅威の証拠は、さまざまな情報源と要素を総合して収集したものだと強調している。

ケントセンター長の上司だったトゥルシー・ギャバード国家情報長官も批判に加わり、トランプ大統領は提出されたすべての情報を綿密に精査した末、イランのイスラム主義テロ政権が即時の脅威だと判断し、その結論に基づいて行動したと擁護した。

共和党の一部議員も攻撃の矛先を向けた。トランプ大統領に近い米共和党のリンジー・グラム上院議員は、ろくに出勤もしていなかったのではないかと皮肉り、事実も証拠もない民主党の論理をオウム返しに繰り返しているだけだと非難した。

米メディアの間では、トランプ大統領の支持基盤であるMAGA勢力の分裂が表面化したとの見方が広がっている。

ケントセンター長は2020年大統領選を巡る不正選挙論を長く唱えてきたほか、極右団体「プラウド・ボーイズ」や白人民族主義者らとの関連も指摘されてきた。

それでも、対イラン戦争を当初から批判してきた保守系論客のタッカー・カールソン氏と近い関係にあることから、CNNは今回の辞任について、この戦争がカールソン氏やメーガン・ケリー氏のような著名なMAGA支持者の間でも、どれほど強い反発を招いているかを示していると分析した。

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