
イラク・バグダッドの米国大使館上空を、親イラン系民兵組織の自爆ドローンが無防備に飛行し、標的を物色する様子を捉えた映像が公開された。米CNNは17日(現地時間)、民兵組織がメッセージアプリのテレグラムに投稿した2分間の映像について報じた。映像には、ドローンが米大使館の建物の間や星条旗の至近距離を低空で飛行する様子が鮮明に映し出されている。撮影日は16日と推定されているが、正確な日時は確認されていない。ドローンが建物に衝突した形跡はないものの、高度に要塞化されたグリーンゾーン(特別警戒地区)の防空網が突破された事実を浮き彫りにした。
報道によれば、バグダッドの米国大使館は米イスラエル対イランの戦争開始以降、少なくとも4回以上の集中攻撃を受けている。特に17日未明には、複数のドローンとロケット弾による開戦以来最大規模の激しい攻撃が行われた。これに対し、大使館側に配備された防空システム「C-RAM(対ロケット・砲・迫撃砲迎撃システム)」が稼働し、飛来したドローンのうち2機を迎撃した。しかし、残る1機が大使館敷地内に墜落し、炎上する被害が出ている。
これに先立つ14日には、大使館の防空を支える「目」とも言える重要な装置が破壊される事態が起きていた。大使館屋上に設置されていた米軍の「ジラフ1X(Giraffe-1X)」レーダーが、自爆ドローンの直撃を受けた。スウェーデンのサーブ(Saab)社が開発したジラフ1Xは、最大75km先の空中目標を探知し、100以上の物体を同時に追跡できる超軽量・高性能の3次元レーダーである。C-RAMの運用には不可欠なこの装置が破壊されたことは、大使館の迎撃能力を著しく低下させる皮肉な結果となった。
米国の主要施設に対するドローン攻撃の被害は、大使館に留まらない。15日には、親イラン系民兵組織「カタイブ・ヒズボラ」がバグダッド国際空港近郊のキャンプ・ビクトリー基地を攻撃した。同組織がSNSで公開した映像には、ドローンが妨害を受けることなく基地内部を飛行し、標的を物色する第一人称視点(FPV)の様子が映っていた。ドローンは最終的に基地内のコンクリート格納庫に衝突して爆発した。大きな被害は免れたとされるが、民兵側のドローン運用能力が向上し、米軍の「個別信号管理(ISM)」や防空体制が深刻な課題に直面していることを示している。













コメント0