
米国のドナルド・トランプ大統領がイランとの停戦交渉を巡り、連日一貫しないメッセージを発信する中、ホワイトハウス内部ではトランプ政権の意思決定の仕組みが正常に機能していないとの懸念が浮上していると報じられた。
21日付の英テレグラフは、トランプ大統領の気まぐれな判断と短い集中力に振り回されるイエスマンたちが、イランとの和平の障害になっていると伝え、ホワイトハウス関係者の話として内部の不安が広がっていると報じた。
トランプ大統領に近い関係者はテレグラフに対し、政権内部では何が起きているのか、計画が何なのか、さらには今何を目標にしているのかさえ誰も分かっていないようだと語った。そのうえで、すべてが完全に滅茶苦茶で、責任の所在もまったく不明確だと明かした。
とりわけ、トランプ大統領が「トゥルース・ソーシャル」などで連日発信する交渉関連の投稿については、最側近の補佐官らでさえ追い切るのが難しい状況だという。
最近のトランプ大統領は、7日に合意した2週間の休戦の終了時点を米東部時間21日午後8時としていたにもかかわらず、報道機関のインタビューなどでは22日夕方へと1日遅らせて言及するなど、揺れのある対応を見せてきた。さらに、米国のJ・D・バンス副大統領が停戦交渉に参加しないと述べた後には、同氏がパキスタンへ出発する予定だと説明を変えたこともあった。この日もトランプ大統領は「トゥルース・ソーシャル」で、どのような形であれ協議がまとまるまで休戦を延長すると投稿し、それまでの休戦延長不可の立場を覆すなど、一貫しない姿勢を改めて示している。
別の消息筋はテレグラフに対し、トランプ大統領はいっそう神経質になっており、睡眠時間も減ったうえ、SNSには「推敲されていない投稿」を載せていると話した。加えて、側近たちがトランプ大統領にSNSの利用を控えるよう求めたものの、止めることはできなかったと付け加えた。
元政権関係者らは、こうしたトランプ大統領の意思決定が、戦時に行われる一般的な意思決定の手順からますます離れていると指摘した。現在は自身の直感と少数の側近の助言に依存している状況だとしている。
トランプ第1次政権で務めた元ホワイトハウス国家安全保障担当補佐官のジョン・ボルトン氏は、初任期当時は今よりも意思決定の枠組みが整っており、どの政策がなぜ利益になるのかも説明されていたと振り返った。一方で、今はそうした過程がもはや機能しておらず、トランプ大統領自身もそれを好まず、制約だと受け止めているとテレグラフに語っている。
トランプ大統領に近い別の消息筋は、政権の指揮系統の内部には国家を代表して一貫した声を出せる集団が一つも存在しないと述べた。ホワイトハウス首席補佐官のスージー・ワイルズ氏も、補佐官らが戦争について「楽観的な見通し」ばかりを伝えているとして、直接懸念を示したとされる。これについてテレグラフは、米国とイランの膠着状態が続いていることを踏まえ、トランプ大統領を説得しようとしたワイルズ氏の試みは事実上実を結ばなかったとの見方を伝えた。
またテレグラフは、もともと米軍の海外介入に否定的だったバンス副大統領が和平交渉の代表役を担う立場となったことで、批判的な意見を十分に出せなくなったと分析した。戦争に反対してきた国家情報長官のトゥルシー・ギャバード氏についても、更迭圧力がささやかれる中で沈黙を守っていると伝えている。













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