メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

「戦えない軍隊だった」北朝鮮軍、開戦前に露呈する戦力崩壊の連鎖

梶原圭介 アクセス  

引用:RFA
引用:RFA

朝鮮半島で戦争が発生した場合を想定すると、朝鮮人民軍の機甲部隊の実際の戦闘力は、一般に認識されている脅威像とは大きく異なる。韓国軍が砲撃を行わなくとも、戦車部隊は移動の過程で故障により停止する可能性が高いとされるためだ。問題は装備の老朽化にとどまらず、構造的な機能不全に近い状況にある。

北朝鮮の戦車の大半は数十年前に製造された旧式装備で構成されている。行軍中に一両でも停止すれば、後続車両が道路上で連鎖的に足止めされる事態が繰り返される。予備部品の不足により現地での修理は事実上不可能であり、訓練不足による操作ミスに起因する事故も多い。戦車兵が約十年に及ぶ兵役期間を経ても、実際の運転経験は限られているとの証言が出る背景でもある。

引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ
引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ

地形とインフラも大きな制約要因となっている。北朝鮮の道路事情は劣悪で、橋梁や渡河施設は限られている。主要な橋が一か所遮断されるだけで、戦車部隊の進撃は事実上停止する。機甲戦力が機動力を失った時点で、その戦術的意義は大きく低下する。

燃料不足は状況をさらに深刻化させている。かつて木炭車で象徴された軍用車両は、現在では米ぬかや枯れ葉を燃料として用いる段階にまで後退している。石炭や木材が不足する中、稲の殻を燃やし、兵士が後方から継続的に投入しなければ走行できない例もある。十キロの移動に数時間を要し、エンジンが停止すれば再始動だけで数時間かかるとされる。

引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ
引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ

車両の維持管理も正常な状態とは言い難い。八両中、実際に稼働できるのは二両程度で、残る車両は部品の流用によって辛うじて維持されている。機動部隊というより、老朽装備の集合体に近いとの評価が出る理由である。

人的資源の状況も厳しい。兵力不足により、身長百四十センチ台、体重四十キロ台の人員まで徴集されているとされる。彼らは名目上は兵士であるものの、実態としては約十年にわたり建設現場で長時間の強制労働に従事し、戦闘訓練は後回しにされてきた。

医療体制は事実上の崩壊状態にある。訓練中に倒れて病院に搬送されても、薬剤が不足しており、家族に市場で抗生物質を購入するための資金送付を求めなければならないケースがある。資金がなければ治療を受けられず放置される例も少なくないという。

装備面でも同様の問題が指摘されている。ロシアに派遣された特殊部隊員でさえ、防弾チョッキに初めて触れたという証言がある。内部を空にした外見だけの防弾装備も多く、完全装備の状態では百メートルを走り切れない兵士が相当数に上るとの分析も示されている。

引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ
引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ

脱北した兵士が韓国軍を初めて目にした際に受ける衝撃は大きい。衣類の質感、装備水準、体格差に至るまで、明確な格差を体感する。同じ民族であるという認識が揺らぐほどの違和感があったとされる。

北朝鮮では韓国軍は臆病者として教育されてきたが、実際の交戦では異なる現実が示された。延坪海戦などの実戦において、圧倒的な火力と装備運用能力を目の当たりにし、宣伝と現実の乖離が露呈した。

こうした状況下でも体制が維持されている背景には、連座制による統制がある。一度の反抗で親族全体が処罰される恐怖が日常を支配し、二十一世紀においても集団処罰が機能する数少ない体制とされている。

分断は皮肉な構図を残した。北朝鮮という存在があったからこそ、韓国は経済成長と国防強化を同時に進めることができた。一方で、その代価を北朝鮮の住民が負担してきた現実も否定できない。

梶原圭介
//= the_author_meta('email'); ?>editor@kangnamtimes.com

コメント0

300

コメント0

[ニュース] ランキング

  • 「米国が安保脅威リストに上がり始めた」同盟も圧力対象か、デンマーク報告が示唆
  • 「国務省無視の暴走外交」...ウィトコフ特使、ルビオ長官を出し抜き“独自交渉”!
  • 「こうしてどん底に落ちていく」米政権に広がる”トランプ疑惑”、巨額献金で官職獲得か
  • 「トランプ、お前がいると損しかしない」米国民の”半数超”が否定的、最新世論調査で不満噴出
  • 「暴走する自己顕示欲」...トランプ氏の“超巨大艦構想”に「時代錯誤」の声噴出!
  • 「帰国途中に何が起きたのか」リビア軍参謀総長ら搭乗機が墜落、爆発映像も

こんな記事も読まれています

  • 「このまま中国車になるのでは?」 フォルクスワーゲン、欧州を離れ中国集中へ
  • 「家族もEVも諦めない」新型GLBが示したベンツの覚悟
  • メルセデス・ベンツCLAが電動化へ、600km航続と5分充電が示す次の一手
  • 「まだ終わらせない」トヨタの切り札GR GT、V8ハイブリッドが選ばれた理由
  • 「米国が安保脅威リストに上がり始めた」同盟も圧力対象か、デンマーク報告が示唆
  • 「国務省無視の暴走外交」…ウィトコフ特使、ルビオ長官を出し抜き“独自交渉”!
  • 「こうしてどん底に落ちていく」米政権に広がる”トランプ疑惑”、巨額献金で官職獲得か
  • 「トランプ、お前がいると損しかしない」米国民の”半数超”が否定的、最新世論調査で不満噴出

こんな記事も読まれています

  • 「このまま中国車になるのでは?」 フォルクスワーゲン、欧州を離れ中国集中へ
  • 「家族もEVも諦めない」新型GLBが示したベンツの覚悟
  • メルセデス・ベンツCLAが電動化へ、600km航続と5分充電が示す次の一手
  • 「まだ終わらせない」トヨタの切り札GR GT、V8ハイブリッドが選ばれた理由
  • 「米国が安保脅威リストに上がり始めた」同盟も圧力対象か、デンマーク報告が示唆
  • 「国務省無視の暴走外交」…ウィトコフ特使、ルビオ長官を出し抜き“独自交渉”!
  • 「こうしてどん底に落ちていく」米政権に広がる”トランプ疑惑”、巨額献金で官職獲得か
  • 「トランプ、お前がいると損しかしない」米国民の”半数超”が否定的、最新世論調査で不満噴出

おすすめニュース

  • 1
    【不動のトップ】31年経っても色あせない魔法 マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」がまた歴史を更新

    エンタメ 

  • 2
    【最高】ZICO×幾田りら、国境を越えた“理想のデュエット” 新曲「DUET」が世界をつないだ瞬間

    エンタメ 

  • 3
    NetflixアニメのサントラがBillboardを席巻、そしてBTSの帰還へ──2025年を象徴したK-POPの決定的瞬間

    エンタメ 

  • 4
    特に惹かれたポイントはない?『愛の不時着』カップルが明かす恋の馴れ初め

    エンタメ 

  • 5
    制作前からキャスト決定?ハン・ソヒ×チョン・ジョンソW主演『PROJECT Y』、実力派から新鮮な顔ぶれまで

    エンタメ 

話題

  • 1
    「オッパ」と呼ばれる瞬間に疲れが消える…デビュー60周年のベテラン歌手、変わらない情熱とファンへの想い

    エンタメ 

  • 2
    K-POPファン、歓喜!NCT WISH、日本の年末を再び彩る 2年連続『CDTV年越しカウントダウン』出演決定

    エンタメ 

  • 3
    過去にはハイブランドの贈り物も…芸人をパワハラで訴えた元マネージャー、亀裂はどこから?

    エンタメ 

  • 4
    「レジェンド誕生」と称賛殺到、IVE・ウォニョンが公開した日本ステージ裏の瞬間

    エンタメ 

  • 5
    SEVENTEEN新ユニットDK×スングァン始動、初ミニアルバム『小夜曲』で描く“飾らない愛”の物語

    エンタメ