中国初のウェルシュ・コーギー警察犬、ソーセージ窃盗事件で話題に
中国で初めて警察犬に採用されたウェルシュ・コーギー警察犬「フーザイ(福仔)」が、巡回中に子どものソーセージを盗み食いした事件で、再び世間の注目を集めている。
7日(現地時間)、香港メディア「サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」の報道によると、中国山東省濰坊市(いほう市)で警察犬として勤務中しているフーザイが盗みを犯し、処分を控えている中、多くのネットユーザーが彼を擁護しているという。
「幸運」と「成功」を意味する名前を持つ1歳半のこのウェルシュ・コーギーは、すでに何度もいたずらで中国のネットユーザーの注目を集めていた。
フーザイの才能は生後2ヶ月の時に発見された。公園で散歩中だったフーザイを警察犬トレーナーのジャオ・チンシュイ氏が見かけ、彼の推進力、好奇心、狩猟本能に感銘を受けたという。飼い主は感銘を受けたトレーナーの提案で、フーザイを警察犬訓練センターに寄贈した。

2024年1月から予備爆発物探知犬としての訓練を開始したフーザイは、荷物の捜索、車両、障害物知覚訓練などの業務を習得した。
数ヶ月に及ぶ訓練の末、フーザイは2024年10月の試験に合格し、正式に警察犬となり、4月には濰坊市国際凧揚げ大会で警備任務にも就いた。
明るい表情、短い脚、鋭い嗅覚を兼ね備えた彼は、瞬く間にオンラインでスター犬として人気を博した。
濰坊市公安局がSNSに投稿した彼の物語は、40万人以上のフォロワーを集めた。
しかし、フーザイの人気は彼のいたずら好きな行動にも起因している。
今年1月には、職場で昼寝をしたり、食器におしっこをしてしまったりすることで、罰として年末ボーナス(おやつとおもちゃ)をもらえなかったという出来事もあった。
このエピソードは、中国全土のSNSユーザーたちに笑いを届けた。
その後、トレーナーが「フーザイはタイセイヨウニシン、かぼちゃスープ、色とりどりの餃子、うさぎのミートボールが並ぶ豪華な旧正月ディナーを楽しんだ」という動画を投稿し、ファンを安心させた。
ソーセージ窃盗事件と大衆の反応
先月26日、また新たな事件が発生した。巡回中だったフーザイがある子どもの手から焼きソーセージをパクリと奪ってしまったのだ。
拡散された映像には、ソーセージにかじりついたフーザイが、周囲の人々の笑い声の中、平然と立ち去る姿が映っていた。
少女の母親は後に、「娘は文句も言わず、そのソーセージを食べきった」と話したが、フーザイのトレーナーは公式に謝罪文を掲載し、「フーザイは 『市民からは何も取らない』という規則に違反した」として叱責されたことを明かした。また、より厳格な「食べ物拒否訓練」が続くことになると付け加えた。
この動画が話題になると、多くのネットユーザーがフーザイを擁護し始めた。
「こんなに可愛い犬に誰が怒れるのか」、「フーザイの食事をアップグレードして、誘惑されにくくした方がいい」などのコメントが寄せられた。
結局29日、2人のトレーナーがフーザイと共に、ソーセージを奪われた少女の通う幼稚園を訪れ、直接謝罪を行った。
また、ソーセージ2本に加え、フーザイをテーマにしたプレゼントや凧も渡したという。
少女の母親は「フーザイと娘が健康で幸せに成長してくれることを願っている。フーザイ、頑張って」と語り、この事件は温かく締めくくられた。

一方で、中国の警察犬プログラムでは通常、ジャーマン・シェパード、ラブラドール・レトリバー、ベルジアン・マリノアといった大型犬が好まれる傾向にあるが、フーザイの成功事例は、小型犬でも特定の任務に適している可能性を示す好例となっている。
特にウェルシュ・コーギーは優れた嗅覚と俊敏さを持ち、爆発物探知などの特殊な任務に適していると評価されている。
専門家たちは、フーザイのような事例が警察犬選抜過程で多様な犬種を考慮するきっかけになると予測している。
また、可愛らしい見た目の警察犬が警察と市民との親しい関係を形成することにも役立つという点で、肯定的な評価を受けている。