生産目標3,300台の半数以上が事前販売済み
予約客の95%以上が既に車両を所有
KGモータース社長「1世帯1台から1人1台へ」

広島のKGモータース株式会社が開発した1人乗り電気自動車「mibot」が、日本の電気自動車市場に新風を巻き起こしている。
29日、ブルームバーグは、税込価格110万円の電気自動車「mibot」が発売前から爆発的な人気を集め、販売目標3,300台の半数以上が事前契約されたと報じた。従来の軽自動車よりさらにコンパクトな「mibot」は、実用性と経済性を重視する日本市場で十分な競争力を持つと評価されている。
「mibot」のサイズは高さ1.5m、長さ2.5m、幅1mであるため、狭い路地や混雑した駐車場でも自在に運転できる。1人乗り設計で、運転手が車両中央に座るという独特な構造を採用している。1回の充電で約100km走行可能で、一般家庭用コンセント(100V)なら5時間でフル充電できる。最高速度は時速60kmだ。
「mibot」は交通インフラが不足する地方や混雑する都市部の交通問題を解決する現実的な選択肢として企画された。KGモータース最高経営責任者(CEO)の楠 一成氏は「狭い路地で多くの大型車が走行しているのを見たことがすべての始まりでした」と語る。
一般のセダンすら入れないほど道幅の狭い東広島市で育ち、幼少期から劣悪な交通環境を経験してきた楠社長は、その経験を基に自由に移動できる小型電気自動車の開発に着手した。
楠社長は、「日本の田舎は公共交通機関が非常に不便です」とし、「東京にお住まいの方には想像しにくいかもしれませんが、世帯ごとではなく、1人1台の車が必要な時代がやってきます」と述べた。これは車両所有の概念が「家族単位」から「個人単位」へ移行する可能性が高いことを示唆している。
実際、予約客の95%以上が既に家庭で車を所有している。
KGモータースは今年10月から広島工場で本格的な生産を開始する予定で、2026年3月までに広島と東京に300台を納車後、残り3,000台を全国に配送する計画だ。