
「トルコは、世界中の薄毛に悩む人々にとって聖地となっている」 トルコが脱毛に悩む人々の間で「行きたい国No.1」として注目を集めている。毛髪移植の費用が安いうえ、腕も世界最高水準と評価されているためだ。
英紙デイリー・メールによると、ウクライナ出身のインフルエンサーが今年5月、トルコ航空機内を撮影しSNSに投稿した動画には、頭に包帯を巻いた坊主頭の乗客が多数映っていたという。
これらの乗客のほとんどは額に移植の跡がはっきりと見え、座席の前後には手術直後の状態の人々が確認できた。この動画には「トルコ・ヘアライン(Turkish Hairlines)」というキャプションが付けられていた。
トルコの街中でも、頭に白い包帯と黒いバンドを巻いた観光客をよく見かける。現地では「手術と観光を兼ねた旅行」として、もはや一般的な光景となっている。
2022年にトルコを訪れた毛髪移植患者は約100万人に達した。毛髪移植の仲介業者によると、韓国からも年間平均200人がトルコで毛髪移植を受けているという。2015年には、フランス国籍のIS構成員が毛髪移植を受けるためトルコに潜入し、現地警察に逮捕された事例もある。
トルコの毛髪移植市場は世界最大規模で、その規模は約2,123億円を超えるとされる。薄毛に悩む患者がトルコを選ぶ理由は、医療水準が先進国並みである一方、料金が安いためだ。例えば、3,000本の毛髪を移植する場合、韓国では約64万〜85万円かかるが、トルコでは約32万円で施術を受けられる。往復航空券代約13万円を含めても、トルコの方が割安となる。

観光と毛髪移植のパックツアーが人気を博し、トルコでは頭に白い布と黒いバンドを巻いた人々をよく見かける。彼らのほとんどが毛髪移植を受けた人々だ。
2015年から薄毛に悩まされていたが、実際にトルコで毛髪移植を体験した記者、スペンサー・マクノートン氏は、ビジネス・インサイダーに次のように語った。「私よりも薄毛がひどかった友人ベネットがトルコから帰国して8か月後、完璧なヘアラインを取り戻した姿を見て、私も飛行機に乗った。隣席の若者たちも同じ目的でトルコを訪れていた」
トルコ政府は医療観光の活性化を図るため、2019年から医療従事者への税制優遇や医療機関への補助金支給を実施している。制度的支援と比較的安い物価が相まって、薄毛治療目的の訪問が急増している。
専門家は、安価な毛髪移植と観光がセットになったトルコの医療ツアーは人気があるものの、施術後の医師による管理が難しいため、事前に十分な準備を行い、適切な医療スタッフを見つけることが重要だとアドバイスしている。