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【世界ランキング】基礎科学トップ10を中国機関が独占!トランプ政権で後れをとる米科学界

竹内智子 アクセス  

引用:ネイチャー・インデックス
引用:ネイチャー・インデックス

先端技術分野に続き、基礎科学の分野でも中国が覇権を握りつつあることが明らかになった。約100年間、世界の科学技術を牽引してきたアメリカは、客観的な指標において中国に後れを取っているという。中国が世界中から優秀な人材を積極的に呼び寄せる一方で、トランプ政権下のアメリカでは科学者の流出が続いており、今後その格差はさらに広がると予想されている。

英科学誌『ネイチャー』が最近発表した「2025ネイチャー・インデックス」によると、基礎科学分野における世界の主要研究機関ランキングで、上位10機関のうち8機関が中国の研究機関だという。アメリカのハーバード大学が2位、ドイツのマックス・プランク研究所が9位に入ったが、それ以外は全て中国の研究機関だった。

今回のランキングは、物理学・化学・生命科学などの基礎自然科学分野における研究機関の論文掲載実績をもとに評価したものだ。ロボットや量子技術といった先端科学や産業分野だけでなく、長年にわたる蓄積が求められる自然科学の分野においても中国がアメリカを凌駕し始めたという評価が出ていることが明らかになった。

中国の台頭とアメリカの後退は、ここ数年続いている傾向だ。1位の中国科学院は、評価指標で2位のハーバード大学を2倍以上のスコアで大きく引き離した。他の中国の研究機関の順位も大きく上昇しており、前回の調査で10位だった浙江大学は今回4位にランクインした。

分野別のランキングを見ても、アメリカが1位となったのは生命科学と保健医療分野のみであることが分かった。しかも、ハーバード大学を除けば、アメリカの研究機関はトップ10にひとつも入っていないという。最近、トランプ大統領が批判しているハーバード大学が、かろうじてアメリカ科学界の面目を保っているという状況なのである。

これについて、中国が積極的に招いた優秀な研究者たちが現地に根を下ろしつつあるという評価も出ている。中国は過去数十年にわたり、破格の支援を通じて世界のトップレベルの研究者を積極的に招いてきた。基礎科学研究院(IBS)ゲノム編集研究団のク・ボンギョン団長は「中国は人材を呼んだというより、頭脳を移植したに等しい」と述べた。

中国は、留学生や若手研究者を誘致するのではなく、すでに海外で地位を確立している主任研究者や著名な学者の誘致に力を入れてきた。留学生の多くは指導教授を基準に進学先を選ぶため、まず優れた研究者を確保することが先決だと判断したのだ。

国別のランキングでも、中国は昨年に続きアメリカを抜いて1位を維持し、その差はさらに広がったとされている。2位はアメリカで、続いてドイツ、イギリス、日本、フランスがランクインした。

米中間の科学分野における格差は今後さらに拡大すると予想されている。トランプ大統領が研究開発費を削減するなど、アメリカの研究環境を悪化させているとの批判が出ており、優秀な研究者が次々とアメリカを離れているためだ。

今回のランキング結果については「西側の危機」というより「アメリカの危機」と見るべきだという分析もある。近年、ヨーロッパ諸国が研究者支援政策を強化する中、アメリカを離れた研究者たちがヨーロッパに向かっているからだ。第二次世界大戦後にヨーロッパの基礎科学の覇権がアメリカに移ったように、今またアメリカから他国へと覇権が移行しつつあるとの見方も出ている。

ク団長は「現在はアメリカ、ヨーロッパ、中国が科学界を三分する構図だが、今後はアメリカの比重が縮小し、中国とヨーロッパがその分拡大していくだろう」と予測した。ただし、ヨーロッパ諸国に比べて中国の財政支援規模ははるかに大きいため、中国の上昇スピードは今後さらに加速する見通しである。

竹内智子
editor@kangnamtimes.com

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