
東京で職場同僚の自宅の鍵を無断で複製し、6か月間も無断で侵入していた20代の男が逮捕された。室内で数百枚の写真を撮影し、衣類などを盗んだとされる。
7日、朝日新聞などによると、東京警視庁は不法侵入と窃盗の疑いで、東京都内に住む無職の村井勇希容疑者(27)を逮捕した。村井容疑者は昨年9月から今年3月にかけて、同僚女性Aさんの自宅に20回以上侵入し、トイレなどで計300枚以上の写真を撮影し、衣類などの私物を盗んだ疑いが持たれている。
事件の発端は約6か月前、Aさんは新卒で村井容疑者の勤務する会社に入社したことだった。Aさんは明るい性格と親しみやすい雰囲気で周囲の人気を集めていたという。村井容疑者は会社の飲み会でAさんと知り合った後、頻繁にメッセージを送り、「昼食は済ませましたか?」「好きな動物は何ですか?」などと尋ねていた。Aさんは当初は丁寧に返答していたものの、徐々に距離を取り、返信を控えるようになったという。
警察の取り調べで村井容疑者は「彼女が自分を無視しているように感じた。からかっていると思った」と供述している。
ある晩、Aさんが仕事中に席を外した隙に、村井容疑者はAさんのカバンから鍵を探し出して撮影し、製造元や鍵番号などの情報をもとに、インターネット経由で鍵の複製を依頼した。その後、Aさんがジョギングに出ている隙を狙って自宅に侵入し、寝室や浴室、リビングを物色したという。
以降、村井容疑者は少なくとも20回以上にわたり無断で侵入を繰り返し、Aさんの衣類を「記念品」として持ち去った。また、ソファの上に置かれた衣服や浴室の鏡についた水滴の跡など、室内の様子をスマートフォンで撮影していた。
Aさんは、洋服の位置が変わっていたり、床に見慣れない足跡が残っていることに気付き、不審に思い警察に相談した。自宅に防犯カメラを設置した結果、村井容疑者の侵入が映像で確認され、現行犯で逮捕されたという。
村井容疑者は警察の取り調べに対し、「危害を加えるつもりはなかった。自分の存在を彼女に感じてほしかった。私のメッセージに一度も返信がなかった」と話しているという。
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