死刑囚さえ怯えるアメリカの地獄、IMSI刑務所の実態とは
米国アイダホ州にある「アイダホ最大警備刑務所(Idaho Maximum Security Institution, IMSI)」は、最悪の犯罪者ですら恐れを抱くとされる「地獄の刑務所」と呼ばれている。
今月3日(現地時間)、米紙『ニューヨーク・ポスト』は、その名だけでも恐怖を感じさせるIMSI刑務所の実態を報じた。
IMSIは1989年に開設された矯正施設で、アイダホ州で最も凶悪な犯罪者が収容されている。死刑囚、連続殺人犯、児童殺害犯、終身刑囚などがこの施設に集められており、多くは終身刑または死刑を宣告されている。

受刑者の大半は、1日に最大23時間を独房で過ごし、他の受刑者との接触は完全に遮断されている。これは、囚人同士の結託による暴動や新たな犯罪の発生を未然に防ぐための措置とされている。
この刑務所の目的は改善指導ではなく、罪を償わせることに重点が置かれており、リハビリや社会復帰を目的としたプログラムはほとんど提供されていないという。
施設内の環境は劣悪だ。鉄格子には排泄物が付着しており、換気設備は存在せず、入浴は週3回までに制限されている。こうした状況は、この施設の過酷さを象徴するものだ。
最近では、収容者管理の不備に抗議する90人以上の受刑者が待遇改善を訴え、ハンガーストライキを行ったが、目立った成果は得られなかった。
過去には暴動も発生しており、その際、職員らは催涙ガスやペッパースプレーで鎮圧したとされる。
こうした厳格な管理体制のもと、IMSI刑務所は昨年、『セキュリティ・ジャーナル・アメリカス』誌による「全米最悪の刑務所トップ15」に選ばれた。
元矯正局長はこれに対し、「人をゴミや動物のように扱えば、彼らはそのままの姿で社会に戻ることになる」「10年以上も独房生活を続ければ、人間性を失ったまま世に出てしまう危険がある」と警鐘を鳴らしている。

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