
イーロン・マスク氏が運営する衛星インターネットサービス「スターリンク」のアンテナを搭載した無人潜水艇が麻薬密輸に使用された疑いで、コロンビア当局が調査に乗り出した。
Newsisの報道によると、3日(現地時間)、フランス24など海外メディアは、コロンビア海軍が前日、カリブ海沿岸でスターリンクのアンテナを装備した無人「ナルコ潜水艇」を押収したと発表した。
ナルコ潜水艇は手動プロペラ方式で推進される半潜水艇で、麻薬密輸や人身売買に使われることが多く、「麻薬潜水艇」としても知られている。
軍関係者によると、当該潜水艇からは麻薬は発見されなかったものの、当局はこれを麻薬カルテルによる試験運航とみなし、捜査に乗り出した。
世界最大のコカイン生産国であるコロンビアの麻薬カルテルは、過去数十年にわたり有人半潜水艇を利用して中米やメキシコにコカインを運んできた。
コロンビア海軍参謀総長のフアン・リカルド・ロゾ氏は記者会見で「スターリンクのアンテナを利用して追跡を逃れようとした無人ナルコ潜水艇を初めて発見した」と述べ、「この船舶はコロンビア最大の麻薬密売組織『ガルフ・クラン』の所有で、1.5トンのコカインを運搬可能だ」と明らかにした。
実際に海軍が公開した映像には、船首に衛星アンテナを装備した小型の灰色の船舶が映し出されていた。
スターリンクのアンテナが麻薬密輸に使われたのは、今回が初めてではない。
昨年11月、インド警察はアンダマン・ニコバル諸島近海でスターリンクのアンテナを装備した遠隔操作船を摘発し、麻薬を押収している。
ロゾ氏は「無人潜水艇は海上で発見したり、レーダーで追跡したりするのが極めて難しい」と述べ、「人身売買犯や麻薬密売人がますます精巧な無人システムに移行している」と懸念を示した。
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