
犬がパーキンソン病患者から発せられる、特有の匂いを識別できるという研究成果が発表された。
ニューシスによると、現地時間21日、フォックス・ニュースが報じた英国ブリストル大学とマンチェスター大学の共同研究チームの論文が、15日に国際学術誌『パーキンソン病ジャーナル』に掲載されたとのことだ。この論文では、犬の嗅覚がパーキンソン病の早期診断に寄与する可能性について述べられている。
パーキンソン病は、大脳内の神経伝達物質であるドーパミンの減少により発症する疾患である。
体内のドーパミンが減少すると、体温や血圧を調節する自律神経系の機能が低下し、健常者に比べて皮脂が多く分泌される可能性がある。
特にパーキンソン病患者からは独特の匂いを持つ皮脂が放たれるが、人間の嗅覚では識別が難しいとされている。
この点に着目した研究チームは、ゴールデン・レトリバーの「バンパー」とラブラドール・レトリバーの「ピーナッツ」を用い、53週間にわたって計205の皮脂の匂いサンプルを対象に訓練を行った。
その後、2頭の犬による本格的な研究が実施され、パーキンソン病患者130名と健常者175名の皮脂の匂いを識別する試みが行われた。
その結果、犬がパーキンソン病患者を識別する感度は、最大で80%に達した。つまり、犬は80%の確率でパーキンソン病患者を正確に識別できたことになる。
また、パーキンソン病に罹患していない人を見分ける感度も最大98%と高い精度を示した。
論文の主著者であるニコラ・ルーニ氏は「70~80%の感度は偶然の範疇を超える高水準であり、犬がパーキンソン病患者を迅速かつ効率的に識別する方法の開発に大きく貢献するだろう」と述べた。
研究チームは、犬の嗅覚を活用したパーキンソン病の早期診断法に関する追加研究を継続する方針である。
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