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「妊娠中の妻が突然発熱し、5日後に胎児とともに死亡」致死率1%でも妊婦には“極めて危険”なオウム病とは?

竹内智子 アクセス  

引用:Instagram@a.l.o.h.a_japan
引用:Instagram@a.l.o.h.a_japan

2021年、妊娠中の妻とお腹の子を「オウム病」で同時に亡くした男性が、SNSを通じてこの感染症の危険性や予防の重要性を発信し、広く共感と反響を集めている。

栗尾一輝さんの妻は、ある日突然発熱を訴えた。だが、症状は急速に悪化し、わずか5日後に命を落とした。その死因が判明したのは半年後。「オウム病」という、あまり知られていない感染症だった。

オウム病の正式名称は「オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci)」で、「人獣共通感染症」に分類される。原因は「クラミジア・シッタシ」という細菌で、オカメインコやセキセイインコのほか、ハトやスズメ、カモ、カモメなど様々な鳥類を介して感染する。主に鳥類の排泄物に含まれる菌を吸い込むことでうつる。

人がオウム病に感染すると、5~19日の潜伏期間の後、インフルエンザのような症状が現れる。無症状で済む人もいれば、重度の肺炎を伴う全身疾患に至るケースもあり、症状の程度には個人差が大きい。

年間の報告数は20件程度とされ、非常にまれな病気だが、適切な診断と治療を受ければ多くの場合は完治が可能で、致死率は約1%とされている。

しかし、妊婦にとっては極めて危険な感染症である。妊娠中は胎児を「異物」として認識しないよう免疫機能が抑制されるため、妊婦が感染すると重症化しやすく、胎児にも深刻な影響を与える。

引用:Instagram@a.l.o.h.a_japan
引用:Instagram@a.l.o.h.a_japan

栗尾さんの妻・亜美さんも、オウム病による多臓器不全や敗血症、肺炎などの症状を発症し、お腹の赤ちゃんにも影響が及んだ。

当時28歳の看護師だった亜美さんは、長女に続く第二子を妊娠していた。出産予定日は2022年3月だったが、出産を約3カ月後に控えた2021年12月、突然体調を崩した。

最初の症状が出たのは土曜日。頭痛と微熱があり、様子を見ることにしたが、翌日には38.5度まで熱が上がった。

月曜日、亜美さんは勤務先の病院でインフルエンザ、コロナ、血液検査を受けたが、いずれも陰性だった。

原因不明のまま、その夜には熱が39.5度に達した。救急外来の受診を迷ったが、亜美さんは「大丈夫」と言い、受診しなかった。

火曜日には40度まで上がったが、それでも冷たいタオルや市販の風邪薬でしのいだ。

水曜日の早朝、栗尾さんは眠っている妻を起こさないようにと、6時前に出勤した。だがその1時間後、義母から「娘が長女の顔を認識できない」と慌てた声で電話が入った。

栗尾さんは急ぎ帰宅し、意識がもうろうとした妻を病院へ搬送した。しかし、午後3時23分、妻とお腹の赤ちゃんは帰らぬ人となった。

「妻が看護師としての判断を優先したけれど、夫としてもっと早く病院へ連れていくべきだった」と、彼は悔しさを滲ませながら語った。

引用:Instagram@a.l.o.h.a_japan
引用:Instagram@a.l.o.h.a_japan

死後も病院では原因を突き止められなかった。オウム病の原因菌は一般的な細菌培養では検出できず、生きた細胞内でのみ増殖する特性があるため、一般病院では診断が難しかったのだ。

栗尾さんは、同じ悲劇を繰り返さないためにと病理解剖を決意した。「妻と子の体にメスを入れるのはつらかったが、何もせず2人の命を無駄にはしたくなかった」と語っている。

最終的な診断が下りたのは、妻が亡くなってから半年後のことだった。

「発熱した時にオウム病だと分かっていたら……今でもそう考えてしまう」と栗尾さんは語る。

オウム病は鳥との接触が感染源だが、亜美さんの感染経路は、保健当局の調査でも特定されなかった。

「オウム病は鳥本体ではなく糞などの排出物から感染する病気で、潜伏期間は1~2週間だ。過去のアルバムなど一カ月にわたり振り返ったが、動物園などで動物と接触した行動はなかった」という。

「公園などではハトのふんが乾燥して空気中に舞っていることもあり、そうした経路で運悪く感染した可能性もある」と栗尾さんは話す。

病名が判明してから、栗尾さんはオウム病について学び、より多くの人にこの病気の存在を知ってもらおうと決意した。インスタグラムで情報発信を続けており、オウム病に関する作品を制作して展示する活動も行っている。

昨年1月、長崎県でも妊婦がオウム病で死亡する事例が発生した。発熱や呼吸困難、意識障害などの症状を訴え、医療機関で診察を受けたが死亡した。その後の検査で原因菌が検出されたが、この女性は自宅で鳥を飼っていなかったという。

最近、栗尾さんにこの女性の遺族からインスタグラムのDMが届いた。「同じ苦しみを経験された方がいることに、とてもやりきれない気持ちになると同時に、さらに発信していかないといけないと思った」と栗尾さんは語った。

竹内智子
takeuchit@kangnamtimes.jp

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