「10人に1人が死亡」レジオネラ菌、免疫力低下者の死亡率は最大80%に

先月、ニューヨーク市ハーレム地区でレジオネラ菌による集団感染が発生し、22人が感染、1人が死亡した。
3日(現地時間)、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)などによると、先月マンハッタン北部のハーレム地区で22人がレジオネラ菌に集団感染し、うち1人が死亡した。
ニューヨーク市保健局は、ハーレム地区のある建物の冷却塔内の冷却水からレジオネラ菌が放出された可能性があると説明した。
レジオネラ症は、感染者のうち10人に1人が合併症で死亡する恐れがある重篤な感染症とされる。特に免疫力が低下した患者が感染し、適切な治療を受けられない場合、死亡率は80%に達する。
ニューヨーク市保健当局は、冷却塔を含むすべての水質検査を実施しており、汚染が確認された建物には24時間以内に対策を講じるよう命じた。

重症肺炎の一種「レジオネラ症」
レジオネラ症は、レジオネラ菌によって引き起こされる重症肺炎の一種で、主に汚染された水から生じる微細な水滴を吸入することで感染する。汚染水は、シャワー、冷却塔、温水システム、加湿器、スパなどからエアロゾル(直径約1〜5µmの微小飛沫)として拡散する。
レジオネラ症は通常、感染後2〜10日以内に症状が現れる。一般の肺炎と似ているが、より深刻な合併症を引き起こす可能性がある。
特に喫煙者、50歳以上、慢性肺疾患患者、免疫力が低下した人、糖尿病や腎不全などの慢性疾患を抱える人は、レジオネラ症に感染するリスクが高いため注意が必要だ。
主な症状には、高熱(40℃以上)、頭痛、筋肉痛、咳(痰や血痰を伴うことがある)、呼吸困難、胸痛、吐き気、嘔吐、下痢などがある。症状が現れた場合は直ちに医療機関を受診し、早期診断と治療を受けるべきだ。
冷却塔や温水設備、加湿器などの定期的な点検と清掃が、感染予防に不可欠とされる。
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